スクーデリア・アルファタウリのテクニカルディレクターを務めるジョディ・エギントンが、2023年F1第18戦アメリカGPの決勝を振り返った。11番グリッドからスタートした角田裕毅は、ミディアム-ハード-ミディアムと繋ぐ2ストップ戦略を実行していたが、終盤に後続のアレクサンダー・アルボンとの差が26秒以上であり、フリーストップの機会を確認したスクーデリア・アルファタウリは角田をピットに呼び入れた。
ソフトタイヤを装着した角田裕毅は、ファイナルラップで1分38秒139をマークして自身初のファステストラップを記録して2ポイントを獲得。中嶋悟(1989年)、小林可夢偉(2012年)に次いで、日本人3人目の快挙となった。ダニエル・リカルドは、序盤にポイントを狙える位置を走っていたが、ブレーキダクトのパートにダメージを負ったことで失速。完走17台中最下位でレースを終えた。「今日のレースは忙しいレースだったが、ポイントを獲得するという目的は達成できた、残されたものはほとんどなかったので満足している」とジョディ・エギントンはコメント。「裕毅は最初のスティントでタイヤをうまく使い、ガスリーから大きく離されることなく、とてもいい走りをした。ハードコンパウンドでのミドルスティントは少し難しかったが、ここでもタイヤをうまくコントロールしていた。そして2回目のピットストップでミディアムコンパウンドに戻した後は、この段階で速かったアストンマーティンについていくためにフラットアウトで走った。アルボンとの差が開いてからは、ピットウォールの判断でファステストラップを狙うことにした」「ダニエルのレースは後半になるほど難しくなったが、彼は最初のスティントを非常にうまくこなし、戦略の選択肢を広げてくれた。しかし、最初のピットストップの直後にブレーキダクトのパーツにダメージを負い、空力負荷と空力バランスが大きく崩れてしまった。その後、レース終盤のセーフティカーに備えて中断し、問題解決を図るというギャンブルに出た。ストップ時にマシンのバランスは改善されたが、レースはアクシデントなく終了し、彼を前進させるチャンスはなかった」「全体的に、マシンはここオースティンでかなりうまく機能しており、ポイント争いに加わってポイントを獲得できたことはポジティブだ。しかし、これからのレースでこれを生かすためには、しっかりとした週末を送り続ける必要がある。このイベントは3つのグランプリ週末のうちの最初の週末となるため、関連する学習を来週末のメキシコでのレースに確実に反映させるために、非常に集中した詳細な分析が行われることになる」