フェルナンド・アロンソのインディ500の“ルーキー・オブ・ザ・イヤー”選出にデイル・コイン・レーシングのチーム代表が不満の声を挙げている。フェルナンド・アロンソは、179周目にエンジン故障でレースを終えたが、2017年のインディ500のルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した。5月までオーバルで走ったことがなかったフェルナンド・アロンソだが、素早い適応を見せた。
予選では5番手に入り、レースでもホンダのエンジンが故障するまで優勝争いに絡むパフォーマンスを見せていた。レースをフィニッシュしていないドライバーがルーキー・オブ・ザ・イヤーに選ばれるのは奇妙に思われるかもしれないが、この賞は最終結果だけで決定するものではない。メディアによる投票で選出されるルーキー・オブ・ザ・イヤーは(a)ドライバーのスキル(b)スポーツマンシップ(c)月間のアクセシビリティと行動(d)最終順位という基準を総合的に判断して投票される。その基準で考えれば、24位に分類されたフェルナンド・アロンソが獲得してもそれほど意外なことではない。しかし、今年のインディ500では輝きをみせたもう一人のルーキーがいた。デイル・コイン・レーシングから参戦した現役インディライツ・チャンピオンであるエド・ジョーンズは、予選で11番手、レースでは優勝した佐藤琢磨からコンマ5秒差の3位でフィニッシュ。また、フェルナンド・アロンソがリタイアしたときにも前を走行していた。チーム代表のデイル・コインは、エド・ジョーンズがルーキー・オブ・ザ・イヤーに選出されなかったことに不満を述べた。「誰がこのような投票をしたのか? インディアナポリスのラジオやテレビ局に聞いたら、誰もがエドが獲得するだろうと言っていたし、彼がそれに相応しいと言っていた。アロンソはインディカーに大きな関心をもたらしたし、我々全員がそのことに感謝するべきだと思う。だが、それはインディアナポリス500であり、マーケティング500ではない」デイル・コインは、フェルナンド・アロンソは良いスピードを示していたが、実際にはエド・ジョーンズの方が速かったとし、3位フィニッシュを果たしたことは見落とされるべきではないと語る。「エドがトップ10圏外でフィニッシュし、アロンソが24位なのであれば、私は気分が悪くなったりはしなかっただろう。だが、エドは3位でフィニッシュした。ヨーロッパで言えば表彰台フィニッシュだ。最低でもエドは共同でのルーキー・オブ・ザ・イヤーに値する。エドのパフォーマンスを考えればね。彼は多くの日程でアロンソより速かった。火曜日と水曜日のプラクティスは風が強かったので走らなかったが、フルタンクでの日曜日は1番手、月曜日は2番手とアロンソより2mph速かった。レースでエドは5番目のファステストラップだが、アロンソは13番手だった。エドはディクソンのクラッシュによるデブリを拾ってグリッドの最後尾の落ちたあと、レースでトップに返り咲くために走らなければなかった」デイル・コインは、エド・ジョーンズがレース優勝を目指して素晴らしい走りを見せたと考えており、マシンにダメージを負っていなければ、終盤のバトルで勝てていたかもしれないと考えている。「エドにとって最も不運だったのは、フロントノーズのキャプを失っていたことだ。それはストレートで大きなドラッグを生み出した。レース後、エドは、コーナーでは二人(佐藤琢磨とエリオ・カストロネベス)より速かったが、ストレートで捕えることができないとコメントしていた。アロンソの価値を損なうつもりはない。彼は素晴らしい仕事をしていた。だが、エド・ジョーンズにはレースに勝つ正当なチャンスがあったし、3位でフィニッシュした。彼はその種のパフォーマンスに相応しい称賛、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを与えられて然るべきだ」もちろん、デイル・コインは、自分のチームであるエド・ジョーンズを支持しているが、エド・ジョーンズが賞を逃したのは不当だと考えている媒体は他にもいる。おそらく、フェルナンド・アロンソとエド・ジョーンズのダブル受賞というのが公平なオプションだったかもしれない。実際、2012年んはトーマス・シェクターとアレックス・バロンの二人がルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞している。