マクラーレンのランド・ノリスがFP1に続きフリー走行2回目でも最速を記録し、タイトル争いの主導権を握った。フェルスタッペンが決勝寄りのプログラムで2番手につける一方、ピアストリはロックアップの影響もあり11番手に沈み、3強の間に明確な差が生まれる結果となった。中団勢はベアマンを中心に上位に割って入り、混雑が多発する走行環境の中で角田裕毅もアタックのリズムを乱される場面があった。レッドブルはロングラン重視のプログラムを進めており、角田は17番手ながら決勝へ向けたデータ収集を着実に進めている。
序盤:ベアマンが主役に躍り出るFP2開始直後、最初にタイムシートを動かしたのはハースのオリバー・ベアマンだった。ソフトで1分24秒744を記録し暫定トップ。無線では「クルマが信じられないほど良い」と興奮まじりの声を上げ、ハース勢の仕上がりの良さを示した。一方、ノリスやフェルスタッペンら上位勢は、路面状況と風を慎重に確かめながら静かにセッションへ入っていった。フェルスタッペンの初アタックで流れが変わる路面が落ち着き始めた中盤、フェルスタッペンがソフトでアタック。1分23秒446を記録しトップへ浮上した。マシンは総じて安定しており、直線スピードとブレーキングの鋭さが際立つ。ただし高速域で軽いスナップを喫する場面があり、風の変化に対する注意が必要な状況も見られた。アタック後、レッドブルは早めにロングランへ移行し、明確に決勝重視のプログラムへと切り替えた。トラフィックの混乱と角田裕毅の走行この頃から渋滞が顕著になり、アントネッリやボルトレトがたびたび前走車に詰まる展開に。無線では“ビッグ・ルクレール”と呼ばれるシーンも飛び出すほどだった。角田裕毅もアタック中に前方パッケージに引っかかり、理想のラップを作れない場面が発生。ただしレッドブルはこの日、決勝を見据えたデータ収集がメイン。最終順位は17番手だったが、内容はロングラン中心で計画通りと言える走行だった。ノリスの渾身アタックがセッションを支配セッション後半、コースが最も落ち着いたタイミングでノリスがソフトでアタック。1分23秒083の会心のラップを叩き出し、フェルスタッペンを0.363秒引き離してトップに立った。FP1に続き完璧な仕上がりで、走りにも余裕が見える。金曜終了時点では、完全にノリスが“週末の主導権”を握った印象だ。ピアストリは苦戦、11番手にとどまるFP1を欠場した影響もあり、ピアストリは序盤からリズムをつかめなかった。ソフトでのアタック中にターン6でロックアップを喫し、フラットスポットが発生。結果的に1分23秒763の11番手でセッションを終えた。とはいえ今季のピアストリは、土曜以降に仕上げる“後半伸び型”であり、チームも「判断するのはまだ早い」と冷静だった。中団勢が存在感、ベアマン4番手・ヒュルケンベルグ5番手最終的な上位勢の後ろには、ベアマン(4番手)、ヒュルケンベルグ(5番手)、ボルトレト(6番手)という予想外の並びが形成された。中団勢の速さは、トップチームがピットアウトで遭遇する“交通リスク”を意味し、日曜のタイトル争いにも少なからず影響し得る布陣となった。終盤:全車ロングランへ、決勝モードに突入残り20分を切ると、上位勢は一斉にロングランへ。ノリスとピアストリはミディアムの実戦確認、フェルスタッペンはさらに早い段階からレースシミュレーションを行っていた。メキースは「ここはオーバーテイクが可能。優先はレースペースとタイヤ管理」と語り、フェルスタッペンがまだ“全力アタックを残している”ことを示唆している。■ 総括:金曜FP2で見えた3つの争い構図■ ノリス:最速・安定・自信が揃う完璧な金曜一発もロングランも高水準。タイトル争いの主導権を確保した。■ フェルスタッペン:決勝寄りのプログラムで余力充分単発は劣るが、決勝ペースでは巻き返しの余地が大きい。■ ピアストリ:金曜は最低ライン、伸びしろは最大FP1欠場とミスで出遅れたが、土曜以降の改善幅は最も大きい。F1 アブダビGP フリー走行2回目 結果・ラップタイム1.ランド・ノリス(マクラーレン) - 1分23秒0832.マックス・フェルスタッペン(レッドブル) - 1分23秒4463.ジョージ・ラッセル(メルセデス) - 1分23秒4624.オリバー・ベアマン(ハース) - 1分23秒5015.ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー) - 1分23秒5506.ガブリエル・ボルトレト(ザウバー) - 1分23秒5707.アイザック・ハジャー(レーシングブルズ) - 1分23秒6578.シャルル・ルクレール(フェラーリ) - 1分23秒6589.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン) - 1分23秒70810.アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス) - 1分23秒75011.オスカー・ピアストリ(マクラーレン) - 1分23秒76312.ランス・ストロール(アストンマーティン) - 1分23秒83213.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ) - 1分23秒87214.ルイス・ハミルトン(フェラーリ) - 1分23秒93915.アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ) - 1分23秒95016.エステバン・オコン(ハース) - 1分23秒95817.角田裕毅(レッドブル) - 1分24秒30318.リアム・ローソン(レーシングブルズ) - 1分24秒47419.ピエール・ガスリー(アルピーヌ) - 1分24秒77120.フランコ・コラピント(アルピーヌ) - 1分24秒963
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