レッドブルはジャンピエロ・ランビアーゼの退任後を見据え、マックス・フェルスタッペンの新たなレースエンジニア候補であるトム・ハートの育成を水面下で進めてきた。その準備段階で重要な役割を果たしたのが、リザーブドライバーの角田裕毅だった。チームは今季実施したテスト走行で角田裕毅を起用し、その際にハートをレースエンジニアとして担当させることで実戦経験を積ませていたという。長年フェルスタッペンを支えてきたランビアーゼの後任育成は、正式発表よりも前から計画的に進められていたようだ。
角田裕毅とのテストで後任エンジニアを育成ランビアーゼは2028年にマクラーレンへ移籍する予定であり、その去就はフェルスタッペンの将来にも影響を及ぼす話題として注目を集めてきた。長年コンビを組んできた2人の関係性から、フェルスタッペンもランビアーゼに続いて移籍するのではないかとの憶測も少なくなかった。そうしたなか、レッドブルは近年フェルスタッペンのパフォーマンスエンジニアを務めていたトム・ハートを後任に指名する方針を固めた。オランダ紙『De Telegraaf』のエリック・ファン・ハーレンによると、ハートはここ数か月にわたってランビアーゼの後継者として極秘裏に育成されてきたという。その一環として、ハートはテストセッションでレースエンジニアを担当。今季レッドブルがリザーブドライバーの角田裕毅を起用して実施した複数回のテストでは、ハートが無線やセットアップ作業を含めたレースエンジニア業務を担当し、本番さながらの経験を積んだとされる。ハートは以前にもイタリアGPでランビアーゼの代役としてフェルスタッペンのレースエンジニアを務めた経験があり、その実績も後任候補として評価されていた。正式決定前から進められていた世代交代今回の報道からは、ランビアーゼの退団が正式に決まる以前から、レッドブルが後任体制の準備を進めていたことがうかがえる。フェルスタッペン自身も今季に入って、ハートが近い将来レースエンジニアを引き継ぐ可能性を示唆する発言をしており、チームとしてもスムーズな引き継ぎを目指して経験を積ませてきたとみられる。長年築かれたフェルスタッペンとランビアーゼのコンビを完全に再現することは容易ではないが、レッドブルは時間をかけて後継体制を整えてきたことになる。変革期を迎えるレッドブルとフェルスタッペンランビアーゼの退団が決まったことで、レッドブルはすでに同氏への機密情報の共有を制限しているとも報じられている。こうした組織変更も、フェルスタッペンが今季苦戦している一因ではないかとの見方もある。レッドブルはここ数年で黄金時代を支えた主要メンバーが相次いでチームを離れており、現在は大きな転換期を迎えている。それでも現時点でフェルスタッペン本人は移籍を示唆する発言はしておらず、多くの憶測が飛び交う中でもチーム残留を前提とした姿勢を崩していない。今回明らかになった角田裕毅のテストでの役割は、単なる走行プログラムにとどまらず、フェルスタッペンを支える次世代レースエンジニアの育成という重要な目的も担っていたことを示している。レッドブルが将来を見据えて進める世代交代の舞台裏が、今回の報道によって浮かび上がった。
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