角田裕毅(レッドブル・レーシング)が2025年F1ラスベガスGP予選で再び下位に沈んだ一方、F1専門レポーターはその不振の原因が「ドライバー側ではない」と指摘している。レーシングブルズのリアム・ローソンが好走を続ける中、角田裕毅のパフォーマンス低下をめぐる見方が揺れ始めている。レッドブルでは予選後、タイヤ空気圧の設定ミスが発覚し、ローラン・メキース代表が角田裕毅に直接謝罪。
パドックでは、チームの準備不足やマシン特性が結果を歪めているとの見方が強まり、角田裕毅の評価を巡る議論が再燃している。ローソンが今季屈指の快走。角田裕毅との比較が加速レーシングブルズのリアム・ローソンはラスベガスGP予選で6番手を記録し、トップ4チーム以外で最速のポジションにつけた。わずか0.2秒差で4番手争いに加わる強力な内容で、今季20戦中6度目の予選でアイザック・ハジャーを上回る結果となった。一方、角田裕毅は19番手でQ1敗退。最近の厳しい結果が続く中で、「なぜローソンは結果を出せているのに角田裕毅は苦しむのか」という比較論が各国メディアで一気に加速している。テッド・クラビッツ「問題は角田裕毅ではない」Sky Sports F1リポーターのテッド・クラビッツは、予選後の番組『Notebook』で次のように述べ、角田裕毅への過度な批判を戒めた。「角田裕毅は悪くない。問題はレッドブルが彼のスタイルに合うマシンを用意できていないことだ。ローソンはレーシングブルズで速さを証明している。もし角田裕毅がローソンのマシンに乗れば、彼はまたポイント争いに戻るはずだ」さらにクラビッツは、角田裕毅の不振は“ドライバー依存”ではなく“構造的な問題”と明確に指摘した。「角田裕毅のここ最近の結果は、彼ひとりのせいではない。レッドブル側の問題、そしてフェルスタッペンの適応力の高さが差を生んでいる」レッドブルがミスを認め謝罪「まともに戦える状態ではなかった」予選後、レッドブル・レーシング代表ローラン・メキースは、角田裕毅のタイヤプレッシャー設定に「重大なミス」があったことを認めた。「我々は角田裕毅のタイヤプレッシャーを大きく誤っていた。彼は競争できるはずのない状態で走っていた。こうしたことはあってはならないが、起きてしまった以上、学び改善するしかない」さらにメキースは「週末を通じて角田裕毅は良いリズムに乗っていた。彼の可能性を奪ってしまい、本当に残念だ」と述べ、明確にチーム側の非を認める形となった。RBの来季構想にも影響。ローソン台頭、リンドブラッド昇格説が圧力にレーシングブルズでは、来季のシート争いが複雑化している。レッドブル昇格が有力視されるハジャー、シーズン後半に好走を続けるローソン、そしてアービッド・リンドブラッドの昇格説──この状況は角田裕毅の立場を一段と厳しくしている。メキースは「若手を急ぎすぎるべきではない」と語り、角田裕毅との信頼も強調してきたが、チーム側のミスが結果に影響している事実が明るみに出たことで、評価の見直しは避けられない。ラスベガスで浮き彫りとなった“セットアップミス”は、角田裕毅の不振がドライバー由来ではないとの議論を後押しし、今後のキャリアを左右する重要な材料になりつつある。