角田裕毅の去就がレッドブルF1の将来を大きく左右すると見られている。2025年シーズン、マックス・フェルスタッペンがほぼ単独でポイントを稼ぐ一方で、角田裕毅は昇格後も苦戦が続き、2台体制で戦うタイトル争いに必要な“総合力”がレッドブルに不足している現状が明らかになった。この状況を受け、ジェンソン・バトンは「角田裕毅が残留するなら、レッドブルは二度とコンストラクターズは無理」と厳しい見解を示す。
バトンは、予選での大きなタイム差が常態化する現実を問題視し、セカンドドライバーのパフォーマンス不足こそがレッドブルの限界を招いていると指摘した。バトン「角田裕毅とフェルスタッペンの“差”が決定的」レッドブルF1は2025年、マクラーレンに大差をつけられ、コンストラクターズ選手権のタイトル争いから大きく後退した。フェルスタッペンが366点中341点を獲得した一方、角田裕毅は25点にとどまり、チームとしてのポイントの積み上げが機能していない。ジェンソン・バトンはスカイスポーツ『The F1 Show』で次のように語った。「これまで多くのドライバーがセカンドシートに入ったが、皆マックスから大きく離されていた」「0.3秒という差はF1では大きいが、彼のレベルを考えればまだ許容できる。しかし今の差はその倍、時には3倍にもなる」「この状態ではレッドブルは二度とコンストラクターズを獲れない。だから彼らは“より近い存在”を探し続ける必要がある」平均予選差は0.573秒。19戦でQ3進出は6回のみ角田裕毅の予選パフォーマンスが、バトンの懸念を裏付けている。レッドブル昇格後19戦でQ3進出は6回のみ。フェルスタッペンとの差は平均0.573秒と大きく開き、タイトルを争うチームの2台目としては厳しい数字が並ぶ。最小差はハンガリーGPの0.163秒だった一方、最大差はアゼルバイジャンGPの1.026秒。今季だけでもQ1敗退6回、Q2敗退8回と、安定した戦いが続かなかった。セットアップ一致でも縮まらない“0.308秒差”サンパウロGPではフェルスタッペンが角田裕毅のセットアップをコピーして予選に臨んだが、それでも0.308秒差がついた。これは今季4番目に小さな差とはいえ、レッドブルがタイトルを争う上では依然として致命的なレベルだ。角田裕毅にはイモラでクラッシュし、Q1でタイムを残せなかったセッションもあった。こうした積み重ねが平均0.573秒という差につながり、バトンの「王座は無理」という指摘を強める要因となっている。レッドブルは“フェルスタッペンに近い2台目”を必要としているコンストラクターズ選手権は2台の合算ポイントで争われる。フェルスタッペンが圧倒的に速くても、2台目が大きく遅れればポイント差は縮まらない。2026年に向け、レッドブルはリアム・ローソン、アイザック・ハジャー、そして角田裕毅の3名を中心に評価を進めている。“フェルスタッペンに安定して近い位置で走れるドライバー”を確保できなければ、レッドブルの王座奪還は難しいままだ。ジェンソン・バトンの言葉が示すように、角田裕毅の残留はレッドブルにとって単なる契約判断ではなく、チームの未来を左右する大きな分岐点となっている。