レッドブル・レーシングの角田裕毅は、F1メキシコGP決勝で11位に終わり、惜しくもポイント獲得を逃した。中団勢による激しい攻防の中で奮闘を見せ、終盤まで入賞圏内を争ったものの、あと一歩届かず。ピットストップでリアタイアの交換に手間取りタイムロスしたことが響いた。特に第2スティント以降はペースが安定しており、トップ10入りの可能性も十分にあっただけに、角田裕毅にとっては悔しい結果となった。
それでも、マシンの競争力やセットアップ面ではポジティブな兆しがあり、次戦ブラジルGPに向けては前向きな手応えを残したと語っている。惜しくもポイントを逃しました。午後のレースは多くの接近戦がありましたが、どのような展開でしたか?今日は簡単にポイントを取れるレースでした。でも自分たちでそれを投げ捨ててしまったような感じです。仕方ないですけど、これもレースです。ポジティブな点としては、ペース自体はけっこう良かったので、そこは収穫として持ち帰れます。ショートランやロングランを通じて、今週末マシンから学べたことはありましたか?次のブラジルに向けては?特に新しいことはないですけど、前進を続けて、学び続けるだけです。こういうふうにポイントを逃す展開は悔しいです。今日は本当に簡単に取れたと思います。P8かP7には入れたはずです。だからこそフラストレーションが残りますね。序盤:ピアストリを抑え、戦略的ブロック役を果たすスタート直後、角田裕毅は9番手付近でオスカー・ピアストリ(マクラーレン)の前に出る好発進を見せた。序盤の混乱を避けながら、フェルスタッペン、ラッセル、ハミルトンら上位勢の背後で安定したペースを維持。チームからは「ピアストリを抑え、リズムを崩させる」という明確な指示が出されており、角田は数周にわたりDRS圏内で巧みに防戦を続けた。しかし、ソフトタイヤを履いたピアストリに対して徐々に防御が厳しくなり、メインストレートでオーバーテイクを許した。中盤:ミディアムタイヤで苦戦、オコンの背後に後退ミディアムタイヤに履き替えた中盤スティントでは、空気の薄い高地特有の熱管理に苦しみ、グリップ不足に悩まされた。ピアストリに抜かれた後はエステバン・オコン(ハース)にわれる形となり、ブレーキ温度とリアタイヤの摩耗が顕著に悪化。チームは戦略上、マックス・フェルスタッペンの前方クリアを優先しており、角田はやや長めのスティントを担当。ピットストップではリアタイヤの交換に手間取って大きくタイムロス。結果としてアンダーカットを受け、再び11番手に戻った。終盤:入賞目前も届かず、ボルトレトとの差が拡大レース終盤、10位を走るガブリエル・ボルトレト(ザウバー)とのギャップを詰める場面も見られたが、再びペースが落ち着き、残り数周で差を広げられる展開となった。バーチャルセーフティカー(VSC)解除後も追撃のチャンスは訪れず、11位でチェッカー。自力でのポイント獲得こそ逃したものの、序盤のディフェンスと長いスティントでの役割遂行はチームにとって重要なレースだった。高地サーキット特有の課題とピットストップの影響メキシコの高地環境では冷却性能の確保が最大の課題となり、レッドブル・レーシングはブレーキダクトやフロアの改良で対応した。しかし薄い空気による熱滞留が深刻で、リアタイヤの温度上昇が顕著に現れた。角田裕毅はその中で安定したペースを維持し、車のポテンシャルを引き出したものの、ピットストップでのタイムロスがレース結果を左右した。リアタイヤ交換時にジャッキ解除の遅れが発生し、大きくロスをした。この遅延が最終的にポイント圏外となる決定打となった。今後への課題とブラジルGP展望角田裕毅自身はペース面で前向きな手応えを得ており、車の競争力は確実に上向いている。次戦ブラジルGPでは標高が低く、ダウンフォース効率が回復するため、より攻撃的なセットアップが可能になる。ピットワークの精度と戦略判断が改善されれば、再び入賞圏内での戦いに戻ることが期待される。