レッドブル・レーシングの角田裕毅を相手に、F1アメリカGP決勝で激しいバトルを繰り広げたハースF1チームのオリバー・ベアマンが、レース後に角田裕毅の走りを「危険」と強く非難した。角田裕毅はこれに対し「僕は彼のF1チームメイトじゃない」と反論し、自身の防御は正当だったと主張した。ベアマンは34周目、7位争いの最中にターン15でスピン。イン側からオーバーテイクを狙った際、角田裕毅がブレーキング中に動いたと感じたという。
「僕にとって彼の動きは不公平だった」とベアマンはスカイスポーツF1に語った。「ルールにも、レースの精神にも反している。あのスピード域でブレーキング中に動くのは本当に危険だ」「2周にわたって彼と戦っていた。僕の方が速かったし、ターン12でも13でも15でもインを狙ったけど、彼は僕の動きに反応してラインを変えていた。最終的にスピンを喫したけど、大クラッシュにならなかったのは幸運だった」ベアマンはまた、週末を通して角田裕毅の「強引な」動きに不満を示した。「スプリントと決勝、どちらの1周目でも彼はターン1で無謀なダイブを仕掛けてきた。正直、彼に僕の見解を理解してもらおうとは思わない。これが初めてじゃないし、最後でもないだろう」さらにベアマンは「彼は今、チームメイトのマックス(フェルスタッペン)と比べて苦戦している。週末を通して苛立っていたように見えた」とも付け加えた。角田裕毅「ルール違反ではない。僕はコントロールしていた」角田裕毅はベアマンの批判に反論し、自身の防御はフェアだったと語った。「ブレーキング中に動いたとは思っていない」と角田裕毅はスカイスポーツF1に語った。「彼がスピンしたのは残念だけど、いいバトルをしていた。あれで終わってしまったのは不運だっただけだ」また、ベアマンが問題視した1周目の動きについても、「あれはレースだよ」と一蹴した。「僕は完全にコントロールしていたし、ロックアップもなかった。お互いサイド・バイ・サイドだった。僕は彼のF1チームメイトじゃない。トップ10を目指して戦っているだけだと思う」角田裕毅は今季、レーシングブルズからレッドブル・レーシングに昇格して以降、苦しい戦いを強いられてきたが、夏休み明け以降は5戦中3戦でポイントを獲得しており、調子を取り戻しつつある。ジェンソン・バトンの見解「ターン15では角田裕毅に非がある」スカイスポーツF1の解説者で元F1世界王者のジェンソン・バトンは、この一件について「ターン15では角田裕毅が悪かった」と分析した。「彼はオリー(ベアマン)の動きをミラーで見ながら反応していた。左に寄りすぎて芝生に乗りかけて、慌てて戻っていた。完全に後ろの動きに反応していた」と指摘。「しかもあのコーナーでは非常に早くブレーキを踏んでいた。それも後続にとって危険だ」と続けた。一方で、バトンは1周目のターン1での角田裕毅の動きについては擁護。「スタートでブレーキを遅らせて多くのポジションを稼いだ。あれは素晴らしい動きだったし、合法的な攻め方だ。問題はベアマンとのあのシーンだけだ」とコメントした。Ollie goes for a spin! Bearman and Tsunoda get too close for comfort into Turn 15 #F1 #USGP pic.twitter.com/SObdG5gSKn— Formula 1 (@F1) October 19, 2025 分析:角田裕毅、強気の防御が再び物議にベアマンとの接触未遂は、角田裕毅のドライビングスタイルに再び注目を集める結果となった。ブレーキング中の動きはルール上厳しく制限されており、FIAも過去に複数のケースでペナルティを科している。ただし、今回は審議対象にはならず、レーシングインシデントとして扱われている。角田裕毅は一貫して「フェアな戦いだった」と主張し、リスクを冒しながらもポイント圏内を守り切った。一方、ルーキーのベアマンにとっては、経験の差とポジション争いの厳しさを痛感する一件となった。アメリカGPでの角田裕毅はスプリントと決勝の両方でポイントを獲得し、今季後半戦に向けて勢いを取り戻している。だが、攻撃的な防御が物議を醸す形となり、次戦メキシコGPでもその走りに注目が集まりそうだ。
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