角田裕毅は、F1シンガポールGP決勝で12位に終わったものの、レース後に「レースペースはレッドブルF1で走ってきた中で一番良かった」と語り、明確な手応えを口にした。オープニングラップの混乱で順位を落とす厳しい展開となったが、中盤以降は上位勢に匹敵するペースを記録。予選での課題を残しつつも、角田裕毅は「確かな進歩」を感じ取っていた。
マリーナベイ・ストリート・サーキットで行われたF1シンガポールGP。レッドブル・レーシングの角田裕毅は、決勝でオープニングラップの混乱により後方に沈み、12位でレースを終えた。昇格後初の母国以外でのレースとなったが、序盤の不運が結果を左右する展開となった。金曜のフリー走行では好調を示していたものの、最終プラクティスでは18番手に後退し、予選も13番手に終わった。ソフトタイヤでスタートした決勝では、1周目で4ポジションを失い、オーバーテイクが難しいシンガポール市街地で渋滞に巻き込まれてしまった。「人生で最悪のスタート、あるいは最悪の1周目だったと思います。まだ信じられないです」と角田裕毅はMotorsport Weekなどに語った。「どのコーナーでも、どこに行っても誰かにブロックされてしまって、スペースが全くなかったんです。1周目で多くのポジションを失ってしまいました。本当に最悪のスタートだったと思います」「自分にできることが他にあったのか分からないですけど、きっと何か改善できる点はあったはずです。それがこの後の展開をとても難しくしてしまいました」と振り返った。「今季最高のペース」への手応え苦しい結果の中にも、角田裕毅は明確な前向きな材料を見出していた。レースペースの向上と安定感が「レッドブル昇格後で最高レベル」だったと強調する。「正直言って、レースペースはレッドブルで走ってきた中で一番良かったと思います」と角田裕毅。「2戦前までは本当に希望がなかったんです。どれだけ頑張ってもペースがなくて、ほとんどP19とかP18が限界でした。でも今回はトップグループに近い、とてもいいペースでした」「今は1周のグリップを引き出せていなくて、どうしても予選でグリップを感じられなかったです。1周の速さとロングランをうまくまとめることができれば、すべてが噛み合ってくると思います。それが今の自分のメインの目標です」と語った。角田裕毅の前進と課題シンガポールの結果は「スタートで全てを失った」形だったが、角田裕毅の発言からは確かな自信がうかがえる。特に中盤以降のロングランでは、ミドルレンジのコンパウンドで上位と遜色ないペースを刻み、車の一発性能以外では明らかな進化を示した。予選でのグリップ不足、タイヤウォームアップ、トラフィックマネジメント——これらの要素を克服できれば、レッドブルでの定位置争いにも再び食い込める可能性がある。次戦以降、角田裕毅が「予選の一発」と「決勝の安定」をどう統合していくかが焦点となる。Source: Motorsport Week
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