角田裕毅は2025年F1ベルギーGPを7番グリッドからスタートしたが、最終的に13位でレースを終え、6戦連続ノーポイントという結果となった。レッドブルのヘルムート・マルコは「我々が約束していた結果ではない」と語り、失望を隠さなかった。予選では、ローラン・メキース新代表の判断により、角田裕毅にもマックス・フェルスタッペンと同仕様の新型フロアが投入され、Q3進出を果たして7番手を獲得。チームの期待も高まっていた。
しかし決勝では、ピットインのタイミングを巡るレッドブル側との“ミスコミュニケーション”により、すべてが狂ってしまう。「予選直前に彼のクルマをアップグレードした。パーツ数の制限ギリギリだったが、リスクを取って決断したんだ」とメキースはF1TVに語る。「このアップグレードがパフォーマンスを支え、非常に良いレベルに到達する助けになった」だがレースでは、角田裕毅がピット入口を通過した直後にスリックタイヤへの交換指示が出され、1周7kmのスパ・フランコルシャンをもう1周走らざるを得なかった。その間にライバルたちは次々とスリックへと交換し、角田裕毅は大きくポジションを落とした。「正直、すごくフラストレーションが溜まってます」と角田裕毅はPlanetF1を含むメディアに語った。「多分、ミスコミュニケーションというか……もう何を言えばいいかわかりません。ちょうどピット入口を通り過ぎた瞬間に呼ばれて、結局あの1周が決定的になってしまった」「4つか5つポジションを落としましたし、そこからずっとピエール(・ガスリー)の後ろに詰まってしまいました。なんとか抜こうとしたけど、残念ながら抜けませんでした」その後30周以上にわたってアルピーヌのガスリーの背後に留まり続けた角田裕毅だったが、RB21の直線スピード不足が足かせとなった。「とにかくストレートが遅かったですね。タイヤも終わってましたし、できる限りのことはやったけど……悔しいです」「約束していた結果ではない」と語ったマルコ、角田裕毅の13位完走に失望を示すこの結果についてマルコもSkyドイツに対し、「ピットストップは理想的ではなかった。彼は順位を落とした。その理由を明確にしなければならない」とコメント。「7位から12位(実際は13位)まで落ちたのは、我々が約束していた結果ではない」なお、レッドブルは角田裕毅だけでなく、フェルスタッペンも苦戦を強いられた。レインセットアップを施していたが、レース開始が遅れたことでウェットでの優位性を活かせないまま終わってしまった。「ペースについていけなかった。我々のセットアップは雨用だったんだ」とマルコは回顧。「結果的に第1セクターが遅すぎた。フェラーリを抜ける位置に一度もいなかったよ。マクラーレンは別次元にいる。フェラーリの速さにも驚かされた」「スプリントで使っていたセットアップの方が今日のコンディションには適していたかもしれない。ハンガリーにはまだ何か持ち込む予定なので、どうなるか見てみよう」