角田裕毅(レッドブル・レーシング)は、2025年F1第10戦カナダGPの決勝を18番グリッドからスタートし、粘り強い走りで12位までポジションを回復した。前日の予選ではトラックリミット違反によりQ2進出を逃し、さらにペナルティでグリッド後退が決定。厳しい条件からのスタートとなった。レースでは1ストップ戦略を選択し、序盤をミディアム、後半をハードタイヤで走破。特に終盤はしっかりとタイヤをマネジメントし、複数台をオーバーテイクする力強いパフォーマンスを見せた。
セーフティカーの導入タイミングが不利に働いたことでポイント獲得は叶わなかったが、クリーンなレース内容とマシンの改善を示す結果となった。これで角田裕毅は3戦連続ノーポイントとなったが、今季投入されたアップグレードのポテンシャルを感じさせる週末となり、次戦オーストリアGPへ向けて巻き返しに期待がかかる。「今日はマシンの感触も悪くなく、ペースは悪くなかったので、いくつかポジションを取り戻すことはできました」と角田裕毅はレース後にコメント。ミディアムタイヤでのスタート後は交通渋滞に巻き込まれ、「ダーティエアでなかなか自分の走りができませんでした」と振り返る。終盤にかけてはハードタイヤでじわじわと順位を上げたが、セーフティカーのタイミングが合わず、戦略的には厳しい展開を強いられた。「昨日のミスを取り返す意味でも、今日はクリーンなレースができましたし、今週末はマシンにもいくつかアップグレードを入れて前進できた感触があります。これが今日できるベストだったとは思いますが、もちろん満足はしていません」と悔しさものぞかせた。「次のオーストリアは僕も好きなコースです。チームとしっかりデブリーフして、クルマへの信頼をさらに高めたいです」さらに、角田裕毅はレース後のインタビューでは次のように語っている。「前半はとにかく前のクルマが多くて、空気の影響で思うようにタイヤを使えなかったです。それでも、クルマのバランス自体はそこまで悪くなかったので、フリーエアに入れたときはラップタイムも安定していました。セーフティカーのタイミングがちょっと合わなかったのは残念ですが、そこはレースなので仕方ないです」「1ストップにするという判断も良かったと思いますし、マネジメントの面では成長を感じています。もちろんポイントが取れなかったのは悔しいですけど、クリーンなレースを走り切れたのはポジティブに捉えています」「オーストリアでは、もっと前のポジションからスタートできるように、予選からしっかりまとめていきたいですし、アップグレードの理解もさらに進めて結果につなげたいです。ホームレースなので気合い入れていきます」レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表も「角田は今日ワンストップでいいレースをしました。ポイントには届かなかったが、内容は良かった」と評価。角田裕毅にとっては、手応えと課題が交錯するレースとなった。