角田裕毅は、今週末のF1エミリア・ロマーニャGPに向けて投入されるレッドブル・レーシングのアップグレードについて、「過度な期待はすべきではない」と冷静な姿勢を見せている。レッドブルF1は予選では依然として速さを見せているが、決勝レースではマクラーレンに対して明らかに劣勢だ。今季からマックス・フェルスタッペンのチームメイトとして本家レッドブル・レーシングに昇格した角田裕毅は、イモラでのアップグレードによって劇的な改善が見込めるとは考えていない。
「どれくらいパフォーマンスが上がるのか正確には分かりませんけど、そんなに大きな変化にはならないと思います。マイアミで見たマクラーレンとのギャップはかなり大きかったですし、今回のアップグレードで突然P1を狙えるようなクルマになるとは思っていません」と角田裕毅は語った。フェルスタッペンとの差を縮めたい角田裕毅さらに角田裕毅は、今週末に向けた自身の課題についても言及し、フェルスタッペンとの差を縮めたいという思いを語った。マイアミGPではスプリントで6位、本戦では10位とポイントを獲得したが、さらなる改善が必要だと認識している。「自分としては、マックスとの差を縮めるために、もっとやるべきことがあると思っています。まずはマシンを100%理解することに集中しなければいけませんし、今週末はそのあたりをしっかり掴む良い機会だと思っています。少しでもマックスに近づけるように頑張ります」と角田裕毅は話している。現在25歳の角田裕毅は、今季ここまで6戦で9ポイントを獲得しており、ドライバーズランキングでは11位につけている。開幕2戦目でリアム・ローソンに代わってレッドブルF1に昇格した角田裕毅には、トップチームの一員として確かな実力を示すことが求められている。アイザック・ハジャーの好調が角田裕毅に圧力をかけるレッドブル・レーシングの「セカンドシート」は常に不安定さを伴っており、現在その座を務める角田裕毅の立場も決して安泰ではない。中国GP後にリアム・ローソンと交代し、レッドブルF1のシートを獲得したが、ジュニアチームで走るルーキーのアイザック・ハジャーが注目を集めている。レッドブルのチームアドバイザーであるヘルムート・マルコは、ハジャーのパフォーマンスに好印象を持っており、ハジャー自身も「チャンスがあれば準備はできている」と語っている。今季ここまでハジャーは5ポイントを獲得しており、その速さは着実に評価を高めている。一方で角田裕毅は、直近4戦で目立った結果を残せておらず、ポイント獲得は今季わずか2レースにとどまっている。ジェッダでのピエール・ガスリーとの接触や、マイアミGPで旧型マシンを使用していた影響もあり、思うようなパフォーマンスが出せていない。レッドブル・レーシングの過去のセカンドドライバーたちが短期間で交代を強いられてきた歴史を踏まえると、角田裕毅には今後数戦で結果を出し、自身の価値を示すことが強く求められている。そうでなければ、F1シートを失う現実的なリスクに直面する可能性がある。