ウィリアムズは、2020年にルノーのF1エンジンに切り替えることを検討しているとヨーロッパのメディアが報じている。英国のプライベーターチームであるウィリアムズは、2014年からメルセデスのパワーユニットを搭載している。現在のメルセデスのF1チーム代表であるトト・ヴォルフは、かつてウィリアムズの株主であり、ウィリアムズとは密接なつながりがある。
しかし、近年ウィリアムズは苦戦を強いられており、2019年の9戦を終えた段階で全チームで唯一1ポイントも獲得できていない。ウィリアムズが最後に9回目となるF1チャンピオンを獲得したのは22年前の話。また、最後にグランプリで優勝したのは2012年のスペインGPでのパストール・マルドナドの勝利まで遡る。ウィリアムズは、ルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスが勝利を挙げているものと同じ仕様のメルセデスF1エンジンを搭載しているが、レース中の明らかにパワー不足はドライブトレインやギアボックスといったチーム独自で製造している重要なコンポーネントを使用するという方針によるもののようだ。最近、ウィリアムズはテクニカルディレクターを務めていたパット・フライがチームを離脱したことを発表。数年間の低迷から抜け出すために新たな方向性を模索していると考えられてる。今週、ドイツの AutoBild はウィリアムズがルノーのF1パワーユニットへの変更を積極的に追及していると報道。ルノーのワークスチームは現在コンストラクターズ選手権で5位に位置している。しかし、同じパワーユニットを使用するカスタマーのマクラーレンに20ポイントのリードを許している。先週末のF1オーストリアGPで印象的なダブル入賞を達成したマクラーレンは、トップ3チームの後ろのミッドフィールドのなかで“ベスト・オブ・ザ・レスト”の地位を確立しようとしている。だが、ウィリアムズがルノーにF1エンジンを変更した場合、マクラーレンはメルセデスのF1エンジンを搭載するためにルノーとの契約を破棄するかもしれないと同誌は報道。マクラーレンとメルセデスはF1で長い歴史を持っている。メルセデスは2010年にブラウンGPを買収してワークス参戦するまで10年半にわたってマクラーレンに投資していた。現時点でこのゴシップに実質的な内容は伴っておらず、関係者の誰も報道についてコメントしていない。