ロシアの大富豪ドミトリー・マゼピンが、ウィリアムズF1チームを買収することについて中国でチームと協議を行ったとイタリアメディアが報じている。報道によると、世界最大級のカリウム肥料会社として知られるロシアのウラルカリー化学の会長であり、F2ドライバーのニキータ・マゼピンの父親であるドミトリー・マゼピンは、約1ヶ月前からウィリアムズにアプローチしているという。
当初、ドミトリー・マゼピンは、ウィリアムズに投資することで息子のキャリアをさらに伸ばすことに関心を持っていると考えられていたが、報道にようと、交渉はチーム買収に話が向かっているという。昨年の夏、ドミトリー・マゼピンはフォース・インディアの買収に動いていた。そして、ローレンス・ストロールが率いる投資コンソーシアムが買収契約を成立させた際には、チームの販売プロセスに“欠陥がある”として、フォース・インディアの管財人に対して訴訟を起こしている。ウィリアムズは、2017年以降、パフォーマンスが急激に低下しており、チームのドライバーは常にグリッドの最後尾を走っている。昨年はウィリアムズのF1マシンはエンジニアリングと設計の欠陥が浮き彫りとなり、今季マシンFW42はさらに症状は悪化。さらに根本的な設計の結果が明らかになる前に、プレシーズンテストまでにマシンを完成させることすらできなかった。このウィリアムズの状況はシーズン開幕前にテクニカルディレクターのパディ・ロウの退任へと繋がり、副チーム代表としてチームを率いているクレア・ウィリアムズのマネジメント能力への疑念の声も高まってる。だが、過去数年間のウィリアムズF1チームのレーストラックでの低迷とは裏腹に、最近、親会社であるWilliams Grand Prix Holdingsは2018年の驚くほど健全な財務結果を開示している。同社のポジイティブな貸借対照表は、ウィリアムズの家族がタオルを投げたくはないとの気持ちとも相まって、チーム買収に興味を持っている潜在的な候補者が現れているにも関わらず、買収の可能性を遠ざけている。昨年、GP3選手権を2位で終えたニキータ・マゼピンは、今年ATR Grand PrixからF2に参戦。メルセデスと提携して2017年F1マシン『W07』での12日間のプライベートテストプログラムを組んでおり、F1スーパーライセンスポイントの獲得を目指している。
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