プジョーは、2018年以降も世界ラリークロス選手権に専念することを発表。FIA 世界耐久選手権(WEC)のLMP1への復帰の可能性は事実上消滅した。プジョーは、2020年の新しいルール策定に参加しており、2020年シーズンからWECのLMP1クラスへのワークス復帰が噂されてきた。
1992年、1993年、2009年にル・マン24時間レースを制しているプジョーは、今シーズン限りでポルシェが撤退し、自動車メーカーがトヨタだけとなるLMP1クラスの唯一の希望とみられてきた。しかし、プジョーは、2018年以降も9度のWRCチャンピオンであるセバスチャン・ローブとHansen Motorsportsともに世界ラリークロス選手権に専念していくことを発表。さらに将来的なラリークロスの電気自動車化を支援していくと述べた。だが、そこにWECについての言及は一切なく、事実上、WEC復帰を否定するカタチとなった。プジョーのブランド責任者であるジャン・フィリップ・イペラートは「ブランドは独自のエネルギー転換をともなくアイデアとともに、当たらなチャレンジに取り組みたいと考えている。また、新しい顧客、新しい世代と強固かつユニークな繋がりを作り出していきたい」とコメント。「ブランドは、2023年までにモデルの80%の電気自動車化を提供することを目指す技術計画の一環として、E-WRXの進化をサポートする準備を整えている」プジョーの事実上のWEC参戦撤回の発表を受け、ACOフランス西部自動車クラブは声明を発表した。「ACOは耐久以外のシリーズでのプログラムを強化するというプジョーの決定を知った。我々はこれを受け入れ、モータースポーツ部門の利益、コスト制限、技術の分野における耐久性、妥当性を証明するため、今後との約束を履行していくしかない。それは、我々と一緒に取り組んでいる他のチームやメーカーが証明することだろう」「過去にも頻繁に起こっていたこのような状況を打破するべく、近年必要とされる予算よりもはるかに少ないコストで参戦できるブルーリボンド・カテゴリーを追及していく。我々はこの自然サイクルに耐え、適切な対応を講じるつもりだ」「カテゴリーの今後に向けたアプローチはこれまで以上に建設的であり、変化するグローバルな状況において、スポーツカーレースの魅力をより高めるためにより積極的な取り組みを行なっていく」トヨタは、2019年末までLMP1クラスへの参戦をコミットしていたが、ポルシェが撤退したことで、来シーズンもWECへの参戦を継続させるかどうかは不透明となっている。