今日、ヘレスのパドックでマーク・ウェバーが歩き回っていた。それだけでも素晴らしいことだ。自転車事故で重傷の骨折を負った彼の右脚はまだ完治していないのだ。初日2日間はセバスチャン・ベッテルがテストを担当したが、水曜日にはマークが昨年11月のブラジルGP以来初めてレースカーのハンドルを握る。そこで、セバスチャン・ベッテルがクルマにくくり付けられている間、マークはインタビューの椅子にくくり付けられることになった。
脚はどうですか?まだ回復途中だが、メルボルンまでには準備ができるようにリハビリに取り組んでいる。ここヘレスでクルマに乗り、脚を使うのが楽しみだ。エキサイトしすぎないようにするよ!今後、あと4回テストがあるが、ぼく自身としてはメルボルンのレース出場が前提だ。実際、骨折した状態でレースに出場したこともある。誰にも言わなかったけどね。 低温室の不思議な治療に関して教えて下さい。普通の温度の部屋からマイナス50度の部屋に移って30秒、マイナス130度の部屋で2,3分過ごすという、ごく単純な方法だ。体にストレスを与えて血液の循環を良くするんだ。骨折部位周辺の回復を助ける。 脚にボルトは入っているのですか?木曜日にボルトは取り外した。予定よりも早かったが、まだリハビリは続けなければならない。脚に入っているピンなんかは軽くて丈夫なチタン製だから、エイドリアンもハッピーだろう!脚の感覚も良いし、脚力も回復している。ピンを外す手術があるのでちょっと回復が遅れるが、長期的にはその方が良いんだ。あなたは不運で有名ですが、今回のアクシデントでその気持ちは強くなりましたか?事故現場でなぜ事故が起きたのかを訊ねたのを憶えているが、不運だとは思わなかった。ただ、自分の人生におけるもうひとつのハードルだったんだ。ぼくは乗り越えるよ。もっと深刻な問題を抱えている人だっているし、ぼくは困難に立ち向かうのが得意なんだ。今回も同じ事。挑戦するのが楽しみだよ。脚に金属が入ってたってレースはできる。心配していないよ。日曜日のレースの90分を含め、メルボルンの週末を通してこの脚はちゃんと機能してくれるだろう。今、マラソンを走るのは無理だが、そんな必用もない。グランプリの距離を運転できればいいんだ。 今シーズンに関してはどのように感じていますか?楽しみにしている。ルール変更で既存の順位が揺さぶられることになるかも知れない。レッドブル・レーシングはこの状況を生かしてとても良い結果が出せるかもしれない。でも、それは待たなければ分からないね。 ベッテルが今年一番のライバルだと思いますか?F1シーズンがスタートする時はいつもプレッシャーを感じる。なぜなら、F1が最高峰だからだ。昨年度レース優勝を果たしたセバスチャンに対抗しなければならないと言われるのは分かっているが、ぼくがチームに入った時は13回ものレース優勝の経験があるデイビッドが相手だった。セバスチャンは明らかに素晴らしい才能の持ち主だし、若いから勢いもある。レッドブルは良く彼をキープしたと思う。彼と共に良い結果が出せれば良いと思っている。この時期には良く言うことだが、明日がメルボルンだったら嫌だ。今はもう少し時間が必用だ。だが、楽しみにしているし、おもしろい週末になると思う。ぼくのレースの相手は出場選手全員だが、チームメイトと比較されることは避けられない。でも、これまでも、どうにかやってきたんだ。 どのエンジニアもKERSの重量がもたらすマイナス点や重量削減について話をしています。あなたは出場選手の中で最も背が高いひとりですが、体重の軽いドライバーが有利になることを懸念していませんか?カートでは影響があったかもしれないが、F1に来てからは体重の心配をしたことは一度もない。ちょっと前のマンセルやプロストの時代は体が華奢なドライバーの方が有利だったが、その差を解決するためにルールが変更された。今は華奢な体型のドライバーはより多くのバラストをクルマに積むことができるので、セットアップのオプションが少し増えるかも知れないが、クルマ全体の重さとしては同じだ。ぼくは75?だが、この体がなければ仕事はできないからね。