元F1ワールドチャンピオンのジャック・ヴィルヌーヴは、これまで受けた質問のなかで最も“馬鹿げた”質問は、『なぜF1ドライバーはパフォーマンスが落ち始めてもすぐに辞めようとしないのか』というものだと語り、セバスチャン・ベッテルを例に挙げてその理由を説明した。F1で53勝を挙げているセバスチャン・ベッテルは、2021年の最初の4戦でノーポイントを続けていた。
しかし、前戦F1モナコGPではアストンマーティンでのこれまでで最高のパフォーマンスを見せ、予選で8番手を獲得して、5位でレースを終え、移籍後初ポイントを獲得した。ジャック・ヴィルヌーブは、モナコまでのセバスチャン・ベッテルのパフォーマンスは「見ていて悲しかった」と認め、昨年までのフェラーリでの不振の延長線上にあったと語る。「今週末は良かった。それまではフェラーリの過去2年間の続きだった。それは残念だった」とジャック・ヴィルヌーヴは motorsport-magazin.com に語った。「彼はそこで違いを生み出した。マシンは彼らが期待していたものではない。古いメルセデスは新しいルールで機能せず、チームとしてそれを開発することはできていない」「炎や情熱がなくなったら、モナコで良い予選をすることはできない」33歳のセバスチャン・ベッテルは、2021年にチームを移籍してまでレースを続けるのではなく、F1から引退すべきだったと考える人もいる。しかし、ジャック・ヴィルヌーブはその考え方に苦言を呈す。「なぜ? 彼はF1に参戦し、大金を稼いでいる。それは彼が4回F1チャンピオンになったこととは関係ないことだ」「人々はいつも『彼は勝てない、彼はもう辞めるべきだ』と言う。しかし、実際にはそれは仕事でもある。レースは楽しいものではあるが、子供の教育費を支払う仕事でもある」「だから、まだF1で運転することができ、競争力があり、マシンの運転を楽しみ、その過程で何百万ドルも稼ぐことができるなら、そして、死ぬことを恐れていないなら、なぜ引退する必要がある?」「これはいつも僕が受けるなかで最も馬鹿げた質問だ」