多くの元F1ドライバーが、F1カナダGPでセバスチャン・ベッテルに科せられた5秒加算ペナルティに否定的な意見を述べている。ポールポジションからレースをリードしていたセバスチャン・ベッテルだったが、48周目にターン4でコースオフ。芝生を横切ってルイス・ハミルトンの前をキープした。
元F1ドライバーのエマニュエル・ピロの含めたスチュワードは、セバスチャン・ベッテルが“安全ではない方法でターン4でコースに復帰し、ハミルトンをコース外に追いやった”判断。ハミルトンは“衝突を避けるために回避行動をとらなければならなかった”としてベッテルに5秒加算ペナルティを科した。それにより、レースを終始リードしてトップでチェッカーを受けたセバスチャン・ベッテルは2位に降格することとなった。だが、2009年F1ワールドチャンピオンであるジェンソンバトンは、不当なペナルティであり、ファンから大切な戦いを奪ったと考えている。「本当に悲しい。二人の偉人な複数のワールドチャンピオンが本格的な戦いをしているのに、スチュワードが出てきて視聴者としての僕たちからそれを奪うなんて、本当に残念だ」とジェンソン・バトンは Sky Sports にコメント。「僕たちしてはレーシングインイデントだ。確かにセブはミスをした。でも、彼がここで毎時100マイル以上で走っていることを認識しなければならない。マシンを止めた状態でコースを外れたわけではないんだ」「彼はリアが動き回っている状態でコースに戻ってきた。僕個人としてはペナルティには値しないと思う。でも、それが規則であり、彼らは罰することにした」「このような狭いストリートサーキットではクルマは巨大だし、あそこで終わってしまうことだってある。セブはルイスともクラッシュすることを望まなかった。二人とも本当に素晴らしいレースを見せてくれた。少しの後味が悪いね」セバスチャン・ベッテルの元チームメイトであるマーク・ウェバーもその意見に同意する。「F1のトップでレースをしたことなるスチュワードはいないのでは? 精神的なペナルティだ」元F1ワールドチャンピオンのナイジェル・マンセルも「馬鹿げた5秒ペナルティだ。セブはウォールにヒットしないようにうまくやった。芝生にグリップはない! コース上に余地はなかった。セブにどうしろと? クレイジーだ。クルマがコースアウトして時点で彼はパッセンジャーだった」と語った。