かつてレッドブルでセバスチャン・ベッテルのチームメイトを務めたマーク・ウェバーは、F1シンガポールGPのスタート直後の事故について、スチュワードがレーシングインシデントと結論づけたことに納得はしているが、ベッテルの動きは不必要だったとの見解を示した。F1シンガポールGPの決勝。スタートでやや出遅れたポールポジションのセバスチャン・ベッテルは、2番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)をカバーするためにイン側にむけてマシンを走らせた。
だが、そこに4番グリッドから好スタート切ってさらにイン側を駆け上がってきたキミ・ライコネン(フェラーリ)が並び、フェルスタッペンを挟むカタチで3台は接触。わずか数秒で起きたこの事故により、3人はオープニングラップでリタイアを強いられた。レース後、フェラーリはマックス・フェルスタッペン、レッドブルはセバスチャン・ベッテルに事故の責任があると主張したが、スチュワードは3名のドライバーのいずれも事故の責任はないレーシングインシデントとしてペナルティを科さなかったChannel4 で解説を務めるマーク・ウェバーは、事故が発生した展開の早さを考えれば、レーシングインシデントは妥当だったとして、3人のスタートを分析した。「セバスチャンは、キミがあれほど素晴らしいスタートをするとは考えもしなかったと思う。だから、彼はマックスの動きばかり注視していたんだだろう」「キミは前後のドライバーよりも抜群の好スタートを切ったが、彼らは本当に最悪のタイミングで同じ場所に出くわしてしまった」 「マックス・フェルスタッペンは全面的に無実だ。完全にね。セブは強引に防御しようとして左に寄せた。キミは最高のスタートを切ったにも関わらず、酷い罰を喰らった。レースはあれでめちゃくちゃになったね」番組では、マーク・ウェバーとセバスチャン・ベッテルが同士討ちを演じた2010年のF1トルコGPでの事故に話題が及んだ。この事故はマーク・ウェバーとセバスチャン・ベッテルの関係に亀裂が生じつきっかえたなった。そのレースでは、最終セクターでベッテルがウェバーに追いつき、いったんは前に出たものの、ベッテルがウェバーに向かってマシンを寄せて接触を。結果的にウェバーはリタイアを強いられた。今回のF1シンガポールGPのスタート時の事故と比較してマーク・ウェバーは「今回の事故とはスピードが違う。僕とセブの場合は時速310kmだった・・・」とコメント。 「時々、セブは自分のクルマのリアがどこにあるのかを忘れてしまっているようだ。あそこではもう少しスペースを空けなければならない。だが、まっすぐに行っている。そして、背後ではまたしてもルイスが一部始終を見ている」 マーク・ウェバーは、3人に責任はないと結論づけたスチュワードの判断には納得しているが、レース後にわざわざドライバーを呼んで事故について説明させる必要はなかったのではないかと疑問を呈した。「まるでジョークだ。すでに終わっていたことだ。セブはぼろぼろになってシンガポールを去る。フェラーリはノーポイント。マックスもノーポイント。誰も何も得ることができなかった」「僕がおかしいと思っているのは、レースに挑み、クラッシュして、ものすごくイライラしてはらわたが煮え返っているところを、スチュワードに呼ばれて座らされて『さて。ここにスローモーション映像がある。ここではこうすべきだった』という話を聞かされることだ。そんなの現実的ではないね」
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