F1アゼルバイジャンGPでのセバスチャン・ベッテルのルイス・ハミルトンに対する意図的な報復行為に非難が集中している。セバスチャン・ベッテルは、2回目のセーフティカー中にルイス・ハミルトンが“ブレーキテスト”をしたと批判。フロントウィングに損傷を負ったベッテルは、ハミルトンに横付けし、手を挙げながらマシンを接触させた。
この件について1966年のワールドチャンピオンであるデイモン・ヒルは「公道であんなことをやったら逮捕されるだろう」と Times に語った。ルイス・ハミルトンはベッテルの行為に腹を立てており、またベッテルが同じことをやりたければ、そのときは面と向かってやるべきだとレース後に語っている。メルセデスの非常勤取締役を務めるニキ・ラウダは「いつかルイスは彼を殴るだろう。クルマではなく、拳でね」とルイス・ハミルトンの意見に同意する。メディアもセバスチャン・ベッテルの行為には批判的だが、ベッテルは接触の件については頑なにコメントを拒否している。「僕は手をあげるために彼の隣にいった。あれが正しいことではないことをはっきりさせたかったんだ」とセバスチャン・ベッテルは語る。それは意図的だったかとの質問には「僕が手を上げたこと?」とベッテルはコメント。その後、リポーターは接触について何度も質問したが、ベッテルは接触したことさえ認めようとせず、ルイス・ハミルトンがブレーキテストをしたとの主張を繰り返すばかり。だが、FIAはレース後にデータを検証し、ルイス・ハミルトンはその前のリスタートと同じ走りをしており、違反的な行為は見つからなかったと結論付けている。スチュワードは、セバスチャン・ベッテルに10秒のストップ&ゴー・ペナルティと3点のペナルティポイントを科した。ベッテルはあと3ポイントで1戦の出場停止処分となる。「僕たちはレースをしている。僕たちは大人だ。幼稚園にいるわけではない」とセバスチャン・ベッテルは Bild にコメント。「僕たちは激しい戦いを期待されている」だが、ルイス・ハミルトンは、セバスチャン・ベッテルの行為が若手ドライバーに悪い“先例”をつくると語り、FIAがベッテルにさらに処分を下す可能性があるとの意見に同意した。メルセデスの関係者は「英国では故意に事故を引き起こしたドライバーには1年間の出場停止処分が下される」と述べた。セバスチャン・ベッテルは、今回の件についてルイス・ハミルトンと話し合いたいと述べているが、ルイス・ハミルトンは「彼は僕の電話番号をしらないと思う」と述べている。一方、フェラーリ陣営は当然ながらセバスチャン・ベッテルの擁護に回っている。フェラーリの広報責任者であるアルベルト・アントニーニは「誰もが何が起こったのかを見ていた。ルイスはあれほどスピードを落とす必要はなかった。セブは責められない」とコメント。また、チーム代表のマウリツィオ・アリバベーネも「ボッタスとキミに起こったこと、そしてその後セバスチャンに起こったことに関しては『これはF1ではなく格闘技大会なのか?』と言いたい」とコメント。「だが、我々は不満を言いたくはない。そういうのは我々のスタイルではないからね」ニキ・ラウダが激しくセバスチャン・ベッテルを批判したことについて質問されたマウリツィオ・アリバベーネは「ラウダは好きなように意見を言うことができる。我々は静かに仕事に打ち込みたい」と述べた。関連:【動画】 セバスチャン・ベッテルがルイス・ハミルトンに報復行為