マックス・フェルスタッペンの2027年に向けた選択肢が狭まりつつある。イギリスGP後に浮上したマクラーレン移籍説について、オスカー・ピアストリのマネジャーを務めるマーク・ウェバーが明確に否定したためだ。レッドブル・レーシングではマシンの信頼性や戦略を巡る不満が表面化し、フェルスタッペンの契約解除条項にも改めて注目が集まっている。しかし、メルセデスとマクラーレンの双方に受け入れ態勢があるかは不透明であり、残留が最も現実的との見方も強まっている。
ウェバーがピアストリのマクラーレン離脱説を一蹴イギリスGP後には、ピアストリがマクラーレンとの契約から抜け出す方法を探しており、その空席にフェルスタッペンが収まる可能性があるとの報道が出ていた。しかし、ピアストリのマネジャーであるウェバーは、その見方を明確に否定した。「オスカーは今後しばらくマクラーレンとの契約下にある。彼が退団を求めて動いているという話はナンセンスだ」ピアストリ自身もBBCのインタビューで、フェルスタッペンのマクラーレン加入説について質問されると、同様の姿勢を示した。「僕にとっては、自分の仕事に集中することが一番大切だ」「僕はこれからもしばらくここにいると分かっているし、チームが僕に満足していることも分かっている。僕もチームに満足しているし、関係も良好だ」「だから僕にとっては、ただの雑音だ。僕が対処することではない」ピアストリとマクラーレンの関係が安定しているのであれば、フェルスタッペンを迎えるために現在のドライバー体制を崩す可能性は低くなる。レッドブルの混乱で契約解除条項に再び注目フェルスタッペンの将来を巡る不透明感は、シルバーストンでさらに強まった。フェルスタッペンはイギリスGPで再びリアウイングのトラブルに見舞われ、レッドブルの対応を公然と批判した。さらに、レース戦略を巡ってチームと意見が食い違ったとも報じられている。元F1ドライバーのティモ・グロックは、レッドブルが独自パワーユニットを開発するマニュファクチャラーになったことで、フェルスタッペンの契約解除条項がより重要になったと考えている。「新しいエンジン規則が導入され、レッドブルがマニュファクチャラーになったことで、物事がうまくいかなかった場合に離脱できるよう、契約解除条項には以前より多くの条件が盛り込まれているのは明らかだ」「誰もが、存在するとされる契約解除条項について話している。問題は、彼にどんな代替案があるのかということだ」フェルスタッペンの父ヨス・フェルスタッペンとマネジャーのレイモンド・フェルミューレンは、イギリスGP後にアムステルダムで、元レッドブル顧問のヘルムート・マルコと面会している。フェルスタッペン陣営が、チーム内でマルコが持っていた影響力を失ったことを惜しんでいるとの見方も出ている。経験豊富な人材流出がレッドブル低迷の要因グロックは、現在のレッドブルの低迷を特定の一人だけの責任にすることはできないと指摘した。「ヘルムート・マルコは、ある程度チームを成功へ導き、適切な人材を配置した人物だった」「今では、その人たちは全員いなくなっている。これは組織再編が進んでいることを示しているし、あれほどの経験を持つ人材を簡単に置き換えることはできない」レッドブルでは近年、長年チームを支えた主要スタッフの離脱が相次いだ。加えて、2026年からはレッドブル・フォード・パワートレインズによる独自PUプロジェクトも始まり、車体とエンジンの両面で大規模な変革を進めている。フェルスタッペンにとっては、チームの将来的な競争力をどこまで信頼できるかが、残留を判断するうえで重要な要素となる。メルセデス移籍はアントネッリの活躍が障壁元F1ドライバーのクリスチャン・ダナーは、フェルスタッペンがレッドブルを離れる可能性は低いとみている。「トト・ヴォルフが、自分の秘蔵っ子であるアントネッリとマックス・フェルスタッペンを組ませるとは、どうしても想像できない」「残るのはマクラーレンだ。しかし、現在チームは苦戦している」「率直に言えば、彼は今の立場にとどまり、物事をうまく機能させようとすると思う。今後3カ月で、どちらへ向かうのかが分かるだろう」メルセデスでは、キミ・アントネッリが2026年のタイトル争いをリードしており、ジョージ・ラッセルとのコンビも機能している。元F1ドライバーのクリスチャン・アルバースも、アントネッリが現在のパフォーマンスを維持する限り、メルセデスがフェルスタッペンを獲得する理由は少ないと考えている。「キミ・アントネッリがこの調子を維持し、ラッセルよりも大幅に速くなり続けるなら、トト・ヴォルフがさらに大きな買い物をする理由は見当たらない」フェルスタッペンを獲得するには高額な報酬だけでなく、チーム内の力関係やドライバー体制を根本から見直す必要がある。アントネッリを中心に将来を築こうとしているメルセデスにとって、それは大きな決断となる。ウェバーの市場調査とフェルスタッペンは無関係か一方でアルバースは、ウェバーが他チームの状況を調べているとしても、それをフェルスタッペンの移籍と直接結びつけるべきではないと語った。「もちろん、マーク・ウェバーはピアストリのために常に周囲を見ている。彼が離れる可能性もある。だが、それはマックスとは何の関係もない」「マークは常に市場を見ているし、マックスも同じだ」ドライバーとマネジメント側が市場の状況を確認すること自体は珍しくない。契約が存在していても、将来の交渉に備えて他チームの競争力や空席の可能性を把握しておくのは通常の動きである。現時点では、ピアストリのマクラーレン離脱を裏付ける明確な兆候はなく、メルセデスもアントネッリを中心とした体制を崩す理由に乏しい。フェルスタッペンがレッドブルの現状に不満を抱えていたとしても、実際に移籍できる有力な選択肢は限られており、少なくとも当面は残留してチームの立て直しを見極める可能性が高そうだ。【関連】・マックス・フェルスタッペン レッドブルF1へ直訴か「エンジニアが話を聞かない」
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