マックス・フェルスタッペンは2026年F1レギュレーションに強い不満を示す中、その改善に向けた“現実的な方法”を提示した。鍵になるのは「安全」という言葉だという。バッテリー回生やスーパークラッピングといった現行レギュレーションは、レースの在り方そのものを変えており、ドライバーの間でも違和感が広がっている。そうした中で、その問題が単なる議論ではなく、実際の危険として顕在化した。
日本GPでは、オリバー・ベアマンがフランコ・コラピントとの大きな速度差によりクラッシュ寸前の状況に陥り、最終的には50Gの衝撃を伴う事故が発生。新レギュレーションの危険性が現実のものとなった。では、この状況をどう変えるのか。フェルスタッペンは、その答えを極めてシンプルな形で示している。フェルスタッペン「安全なら変えられる」フェルスタッペンは、現在のレギュレーションが持つ危険性について明確に言及した。「とても危険になり得る。ブレーキング中の動きやライン変更のように見えるかもしれないが、加速が速い場合にも起きる。大きな事故につながる可能性がある」予選だけでなくレースそのものにも問題があるのではないかと問われると、彼はその構造的な矛盾を指摘した。「僕にとってはすべて同じだ」「予選ではこういうリフト主体の走り方は望ましくないし、他にも多くのルールがある」「リフトだけの問題ではない。全開で走れない区間が多く、少し踏んでまた緩めるようなことをしなければならない。すべてがとても分かりにくいし、あるべき姿ではない」「予選では速く走るために、実際には遅く走らなければならない。それは本来あるべき姿ではない」現行レギュレーションがもたらす“逆転した論理”を、ドライバーの視点から明確に言語化した形だ。鍵は“安全” FIAが動ける唯一の領域フェルスタッペンは、レギュレーション変更の現実的なハードルにも言及する。通常、シーズン中の変更にはチームの合意が必要となり、利害や政治が絡むことで実現は容易ではない。しかし彼は、その状況を打破する方法として「安全」という概念に着目する。「すべてが安全の問題であれば、物事を変えるのは簡単だ」「安全という言葉は多くのことに使える。だからそれを使うべきかもしれない」FIAは安全を理由とする場合、例外的に規則変更を主導する権限を持つ。サーキットの改修やマシンの使用制限など、過去にも安全を根拠にした介入は数多く行われてきた。つまりフェルスタッペンの提案は、単なる批判ではなく、現実的に機能し得る“ルート”を示したものでもある。ドライバーの不満と変わらぬ構造とはいえ、ドライバーたちはFIAの会合に大きな期待を寄せていない。ルイス・ハミルトンは、ドライバーが意思決定に関与できない現状を明かしている。「僕たちには権限がない。まったくない。委員会にも入っていないし、投票権もない」カルロス・サインツJr.も、チームの意見ばかりが優先されている現状に疑問を呈した。「問題は、チームの声だけを聞いていることだ。彼らはテレビで見て楽しんでいるかもしれないから、レースは問題ないと思うだろう」「しかしドライバーの立場では、互いにレースをしている中で50km/hもの速度差があると、それはもはやレースではない」「このような速度差があるカテゴリーは世界に存在しない。驚くような形で接近されることで大事故が起きる可能性があるからだ」ドライバーの声と現行の意思決定構造の間には、依然として大きな隔たりが存在している。フェルスタッペンが提示した「安全」というキーワードが、実際にレギュレーション変更への引き金となるのか。4月9日の会合は、その方向性を占う重要な機会となる。
全文を読む