マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)は2026年F1シーズン開幕前のバーレーンテストで、走行距離とラップタイムだけでなく、そのドライビングアプローチでもパドックの注目を集めている。新レギュレーション下で導入された50/50の出力配分(内燃エンジン400kW+電動エネルギー強化)に適応するため、フェルスタッペンは積極的な1速ダウンシフトを活用し、エネルギー回生を最大化する走りを見せた。
この“新たな戦術”を巡って、リアム・ローソンやフェラーリ陣営もそれぞれの見解を示している。1速まで落とす積極的ダウンシフト2026年のレギュレーションでは内燃エンジン出力が従来の550〜560kWから400kWへと低減され、電動側の比重が大幅に増加した。これにより、ブレーキング時の回生効率とMGU-Kの充電管理がこれまで以上に重要となっている。バーレーン・インターナショナル・サーキットのターン10で、フェルスタッペンは通常であれば2速で通過する区間を1速まで一気に落とすアグレッシブなダウンシフトを実施。これにより高回転域を維持し、バッテリー充電を促進して次のストレートでの電動デプロイを最大化していると報じられた。テスト初日には単独で136周を走破し、午前セッションで最速タイムを記録。だが関係者の関心は周回数以上に、この回生重視のドライビングへと向けられている。ローソンは冷静「特別なことではない」リアム・ローソン(レーシングブルズ)は、この1速ダウンシフトの重要性を過度に評価すべきではないとの立場を示した。「スピード自体も少し落ちていると思う。今年はダウンフォースが少ないから、コーナーへの進入速度も低い」とローソンはメディアに語った。「特別なことではない。自然なことだ。まだ序盤だし、走れば走るほど自然になっていくと思う」「10年前とも違うし、去年のクルマとも違う。常に進化している。考えることは多いけれど、自然に身についていくはずだ」さらにローソンは、タイヤデグラデーションの大きさとスライド量の増加にも言及し、「今は学習段階で、ショートランとロングランでのバッテリーマネジメントを最適化しようとしているところだ。学習曲線の途中だ」と説明した。フェラーリは苦戦 小型ターボとの相性一方、フェラーリ勢は同様の手法を試みたものの、マシンの反応は良好とは言えなかったと伝えられている。フェラーリは新世代パワーユニットで小型ターボを採用したとされ、これがレーススタート時の立ち上がり改善を狙った設計とみられている。ただし、この構成が1速へのダウンシフトとの相性に影響している可能性が指摘された。シャルル・ルクレールやオリバー・ベアマンがテスト中に1速ダウンシフトを試した際、挙動が大きく乱れ、その後は継続的に使用しなかったとの報告もある。データ上では、ルクレールがターン1、4、10で1速を試す場面も確認されており、フェラーリが回生戦略の最適化を模索している様子もうかがえる。エネルギー管理が勝敗を左右する時代へ2026年F1は、単なる空力やエンジンパワーだけでなく、エネルギーマネジメント能力がドライバーの差を拡大させる可能性を秘めている。電動出力の比重が増したことで、ブレーキング、回生、デプロイの一連の流れをいかに効率化できるかが重要なテーマとなった。フェルスタッペンの1速活用は、その象徴的な一例と言える。この戦術が開幕戦でも有効かどうかは未知数だが、各陣営がすでにコピーや改良を試みている点は、新時代F1の競争が始まっていることを示している。2026年のタイトル争いは、ドライバーの「余力」とマシンの回生特性が、これまで以上に密接に絡み合うシーズンとなりそうだ。
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