メルセデスが、マックス・フェルスタッペンのニュルブルクリンク24時間レース出場実現に向け、単なる関心をはるかに超えた動きを見せている。報道によれば、電話を取り自ら調整に動いているのは、トト・ヴォルフにほかならない。4度のF1世界王者によるノルドシュライフェ参戦構想は、ここ数カ月で一気に現実味を帯びてきた。ただし焦点はいま、ガレージやドライバーラインアップではなく、カレンダーと経営層の判断に移っている。
要点は単純で、フェルスタッペンが必須となるニュルブルクリンク・ラングストレッケン・シリーズ(NLS)の1戦を日程にねじ込めるかどうかだ。そこでメルセデスが強く前に出た。メルセデスが日程調整に本腰ウィンワード・レーシングが、ファクトリー支援体制の「メルセデスAMGパフォーマンスチーム」としてニュルブルクリンク24時間に挑むことを表明したことで、計画は最終段階、しかも最も政治的な局面に入った。フェルスタッペン自身は、メルセデス、レッドブル・レーシング、さらにはレッドブル本社からも参戦承認を得ている。一方で、空いている週末だけが見当たらない。現行のNLS全ラウンドおよび公式走行は、すべてF1カレンダーと衝突しているからだ。報道によると、このロビー活動は社内最上層にまで達しており、メルセデス・ベンツCEOのオラ・ケレニウスとヴォルフが、中国グランプリと重なるNLS開幕戦の延期を求める要請を後押ししているという。1週ずらすことができれば、日本グランプリとの間に、わずかな“窓”が生まれる可能性がある。シリーズ責任者のマイク・イェーガーは要請が提出された事実を認めつつも、合意成立には慎重な姿勢を示した。「延期の可能性に関する要請は提出されたが、それ以上ではない。すべての関係者にとって都合が合わなければならない」と述べている。フェルスタッペンは“自前チーム”を構築日程が議論される一方で、フェルスタッペンは準備を止めていない。メルセデスAMG GT3の同乗ドライバーは本人が選定しているとみられ、DTMランキング2位のルーカス・アウアーが有力候補に挙がる。両者の因縁はF3時代にさかのぼり、近年のAMGでの好調ぶりも相まって適任と見られている。さらに、シムレーシングの実力者クリス・ルルハム、ノルドシュライフェのスペシャリストジュール・グーノン、耐久レースのベテランダニエル・フンカデラも候補に名を連ね、スピード、技術的知見、そしてコース経験を兼ね備えた布陣が検討されている。書類が整うのを待つこともしていない。フェルスタッペンは今週、レッドブルの2026年リバリー発表のためデトロイトへ向かう前に、ポルティマンでAMG GT3のプライベートテストを実施。アイフェル特有の不安定な天候を想定し、あえて混合コンディションで周回を重ねた。NLSが動くかどうかが結末を左右する。ただ一つ確かなのは、メルセデスがフェルスタッペンをニュルブルクリンクに立たせるため、カレンダーそのものと戦う覚悟を示しているという事実だ。