マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)は、F1サンパウロGP決勝でピットレーンスタートから驚異的な追い上げを見せ、3位表彰台を獲得した。だが、終盤にはキミ・アントネッリ(メルセデス)を抜くことができず、タイヤの過熱がそれを妨げたと明かした。フェルスタッペンは序盤にパンクに見舞われ、13番手まで上がっていたところで緊急ピットイン。ハードタイヤで後方に沈んだが、ミディアムに履き替えて再び順位を取り戻し、終盤にはソフトタイヤに交換して猛攻を仕掛けた。
新しいソフトに対し、前を走るアントネッリとランド・ノリスは使い古したミディアム。タイヤ差を武器にジョージ・ラッセルを抜き去り、残り数周でアントネッリを追い詰めたものの、最後まで交わすことはできなかった。「DRSを使って何周か追いかけたけど、近づくたびにタイヤがオーバーヒートしてしまった」とフェルスタッペンはレース後に語った。「グリップを失ってしまって、それ以上は攻められなかったんだ。ソフトタイヤはミディアムより扱いが難しいね」それでも、Q1敗退という苦しい状況からの大逆転劇は見事だった。レッドブルは予選後にパワーユニットを新調し、セットアップ変更を敢行。これが功を奏したとフェルスタッペンは振り返る。「間違いなく予選よりもずっと良くなっていたよ。かなり強いレースだったと思う。今日は気温が少し低かったのも助けになったかもしれない。クルマはより反応が良くて、ハードでパンクしたあと最後方に落ちても、ミディアムで追い上げられた。戦略も正しかったと思う」「ソフトでもペースは良かったけど、ジョージを抜いた時点でタイヤを少し消耗してしまって、アントネッリに近づいた時にはすでに熱を持ちすぎていた。それでも、ピットレーンからスタートして10〜11秒差で表彰台に上がれたのはすごくいい結果だと思う。今朝起きた時には、まさかこんな展開になるとは思っていなかったよ」フェルスタッペン、レッドブルの復調を実感レッドブル・レーシングはインテルラゴスで苦戦した予選を経て、決勝では見違えるほどのペースを取り戻した。チームが選択した新しいパワーユニットとセットアップ変更が機能し、レースペースは上位に匹敵。フェルスタッペンのコメントからは、低温下でのマシンバランスが改善され、RB21が再び安定したパフォーマンスを発揮したことがうかがえる。終盤のオーバーヒートは惜しい失速ではあったが、Q1敗退からの表彰台というリカバリーは、依然としてチームが競争力を保っている証拠でもある。タイトル争いの行方が見えた今も、フェルスタッペンの安定した走りと判断力は光ったと言える。
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