マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)は、長年チームを率いたクリスチャン・ホーナーの退任後、ローラン・メキースが新たに指揮を執るチーム体制について語り、その誠実なリーダーシップを称賛した。ホーナーの退任は、レッドブルでの20年間にわたる指導の幕引きとなった。彼はチームを率いてドライバーズタイトル8回、コンストラクターズタイトル6回を獲得。フェルスタッペンにとっても、4連覇を成し遂げた黄金期はホーナー体制のもとで築かれたものだった。
しかし、2024年シーズンにはチームの競争力が低下し、マクラーレンやフェラーリ、メルセデスに後れを取る場面も増加。2025年シーズン中盤にはホーナーが正式に解任され、レーシングブルズで指揮を執っていたローラン・メキースがチーム代表に就任した。フェルスタッペンは、新たなリーダーの下での雰囲気を前向きに捉えている。「これまでのところ、すごくうまくいっている」とフェルスタッペンは英Channel 4に語った。「チームに加わったばかりでマシン全体を作り直すことはできないけど、ローランは自分のやっていることについて常に誠実だ。そこが僕は好きなんだ。彼は“みんなの一員”という感じで、僕たちはとても良い関係を築けている」一方で、フェルスタッペンはホーナー時代を振り返り、強い感謝の気持ちも示した。「クリスチャンのもとで僕たちは本当に多くの素晴らしい成果を挙げた」と彼は続けた。「特に2021年のタイトルを獲得したときのあの感情、チーム全体が一体となったあの瞬間は一生忘れられない。あの年を通して得た経験は特別だった」「今のチームは違う戦略を取っているけど、ローランと一緒に仕事をするのを楽しんでいるし、これからの数年が本当に楽しみなんだ」変わらないフェルスタッペンの姿勢2025年前半は苦戦を強いられたフェルスタッペンだが、夏休み明け以降はモンツァとバクーで連勝し、シンガポールでも2位を獲得。再びチャンピオン争いの中心に戻ってきた。それでも彼は、外部からの期待やプレッシャーに左右されることはないと強調する。「僕自身が一番の批評家なんだ。だから他人が何を期待しようと関係ない」とフェルスタッペンは語った。彼はマクラーレン勢を追う“挑戦者”の立場にあるが、メンタリティはこれまでと変わらないという。「追われる側でも、追う側でも、僕の考え方はまったく同じだ」とフェルスタッペンは言う。「レースはシンプルなものだ。スロットルペダル、ブレーキペダル、ステアリングホイール──それが僕のやるべきこと。モノゴトを複雑に考えすぎる人が多いけど、僕はできるだけシンプルに保つようにしている」メキース体制の成熟が鍵となる後半戦レッドブルは2025年後半戦で再び上位に食い込む兆しを見せており、フェルスタッペンの安定した走りとメキースの冷静なリーダーシップが融合しつつある。メキースはチーム全体の戦略を再構築し、“人のつながり”を重視するアプローチを取っているとされる。ホーナー時代のカリスマ的統率から、より組織的で協調的な運営へと移行する過程にあるのだ。フェルスタッペンにとって、それは単なる変化ではなく、進化の一歩でもある。残り6戦、彼とレッドブルが再び王座争いを盛り上げることができるかに注目が集まる。Source: motorsportweek.com