マックス・フェルスタッペンは、2025年F1ベルギーGPのスタート遅延について不満を表明し、F1が「過度に慎重になりすぎている」と警鐘を鳴らした。スタート前の豪雨によりフォーメーションラップ後に手続きは中断。ポールポジションのランド・ノリスを含む複数のドライバーが視界不良を訴えたことを受け、レースディレクションは最終的に約80分にわたり開始を見送った。
この決定に対し、フェルスタッペンはレース中の無線で苛立ちを見せたほか、レース後にも強い懸念を口にした。「もうクラシックなウェットレースは見られなくなる」「インター(タイヤ)での走行は許されたけど、ほぼスリック状態になってからじゃないと走らせてもらえなかった。それが残念だったね」とフェルスタッペンは語る。「僕たちはシルバーストンの件を踏まえて、もっと慎重になってほしいと話してきたけど、今回はその逆の極端に振れすぎたと思う」「だから僕たちのウェット向けセットアップは裏目に出てしまった。ドライタイヤに変えた後はストレートで全くスピードが出なかったし、元々あったマシンバランスの問題がさらに悪化したよ」レース序盤、フェルスタッペンはフェラーリのシャルル・ルクレールに激しく迫るも、12周目にスリックタイヤへ交換するまでオーバーテイクのチャンスを得られなかった。最終的にはDRS圏内にも入れず、1.5秒差の3位でフィニッシュした。「15時スタートでよかったはず」フェルスタッペンは、もしレース開始直後にセーフティカー先導で数周走行していれば、路面の水も散って早期再開が可能だったと主張する。「レースは最初から15時に始めるべきだったと思うよ。もう雨も降ってなかったし、1コーナーから5コーナーの間に水たまりがあったとはいえ、2〜3周走れば十分クリアになっていた。あとのセクターはもう問題なかった」「こうなるなら、完全に乾くまで待ってスリックでスタートすればよかった。でもこれはもう“ウェットレース”じゃない」他のドライバーたちが「視界ゼロだった」と訴えていたことについて問われると、フェルスタッペンはこう返した。「1コーナーから5コーナーの間だけで、それもほんの数周だけだよ。もっと走れば視界は改善してくるし、もし見えなければアクセルを緩めればいい。いずれ見えるようになる」「今のF1は慎重すぎる」スパ・フランコルシャンで過去に発生した雨中事故の記憶が、今回の慎重な判断につながった可能性について理解を示しつつも、フェルスタッペンはF1の方向性そのものに危機感を募らせている。「もちろん最終的には彼ら(レースディレクション)がすべてを決める。でも、残念だよね。こんなことが続けば、もうクラシックなウェットレースなんて二度と見られない」「雨が降った後も、ちゃんと走り続けていれば問題なかったと思う。こうした判断が全部“ウェットレース前提の準備”を無駄にしてしまった」「とはいえ、現実的に見れば今日は3位がベストだったと思うし、そこに届くほどには迫っていた。ただ、このクルマの弱点も改めて浮き彫りになった。それは今すぐに解決できるものじゃないんだ」
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