クリスチャン・ホーナーがチーム代表の座を追われた今、F1界の注目は再びマックス・フェルスタッペンの去就に向けられている。英紙「Bild」によれば、F1イギリスGPが開催されたシルバーストンでは、フェルスタッペンの父ヨスとホーナーとの間で最後の衝突があったという。ラルフ・シューマッハはその場に居合わせたと語り、ヨスがホーナーに向かって「プレッシャーをかけ続けるぞ、クリスチャン」と言い放ったと報じられている。
その数日後、レッドブルのタイ人共同オーナー、チャレーム・ユーヴィッディヤが持つ51%の議決権が2%減少し、ホーナーに対する“庇護”が失われた。そしてホーナーはチームを去ることになった。一方、フェルスタッペン本人はイタリア・サルデーニャ島へと向かった。これについてラルフ・シューマッハは「今週サルデーニャ沖には2隻のヨットが停泊している。1隻はトト・ヴォルフのもので、もう1隻はマックスのものだ。2人が一緒にコーヒーを飲んでいても不思議じゃない」と語っている。ホーナーの解任は、フェルスタッペン陣営が突きつけた“最後通告”の結果だという見方もあるが、元F1ドライバーのクリスチャン・アルバースは懐疑的だ。「マックスが『あいつが出て行くか、俺が出て行くかだ』なんて言ったとは思えない。彼はそういう性格じゃない」とオランダ誌Formule 1に語った上で、「ただし、彼が『変化が必要だ』と強く伝えたのは間違いない。レッドブルはマックスなしでは成り立たない。でもトップチームでそれは本来あるべき姿じゃない」と指摘した。さらに元ハース代表のギュンター・シュタイナーも見解を示し、「マックスは少なくとも2026年の新体制がどうなるかを見極めるまでは残留するだろう」と独メディア「sport.de」に語った。「2026年にはレギュレーションが完全に変わる。どこが強くなるかなんて誰にも分からない。今動いて長期契約を結ぶのはリスクが高すぎる」と語り、より現実的なのは2027年の移籍だと付け加えた。「理論的には、最速のドライバーが最速のマシンに乗れる可能性は高い。それがF1の世界だ。マックスは来年じっくり分析するはずだよ。どのチームが最高のパッケージを持っているのかをね」しかし、注目すべきは元F1ドライバー、ネルソン・ピケJr.の“発言”だ。ポルトガル語のポッドキャスト「Pelas Pistas」に出演した彼は、こう語ってしまった。「今年のメルセデスは、週末ごとにうまくいかないこともある。でも、来年マックスがそこにいるなら話は別だ」ピケJr.は、F1界のレジェンドであるネルソン・ピケの息子であり、フェルスタッペンの恋人ケリーの兄でもある。そんな“身内”から飛び出した「マックスがメルセデスにいる」という一言は大きな波紋を呼んでいる。発言の直後、ピケJr.は慌てて「決断は8月になると思う」と軌道修正したものの、真意は測りかねる。レッドブルを去るか、それとも残るか――フェルスタッペンの決断は、チーム体制の刷新が進むF1界にさらなる衝撃をもたらすことになりそうだ。
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