マックス・フェルスタッペンは、F1カレンダーに「永続的に残すべき」サーキットとして6つの伝統的コースを挙げるとともに、伝説的ながら危険なノルドシュライフェ(ニュルブルクリンク北コース)については「F1が戻ることは絶対にない」と強く否定した。現在のF1はラスベガス、ジェッダ、マイアミといった新興市場でのレースを続々と追加し、商業的な広がりを見せているが、フェルスタッペンはこうしたカレンダーの変化に懸念を抱いている。
フェルスタッペンが「常にF1カレンダーに残るべき」と考えているのは以下の伝統サーキットだ:スパ・フランコルシャン(ベルギー)ザントフォールト(オランダ)シルバーストン(イギリス)イモラ(イタリア)鈴鹿(日本)インテルラゴス(ブラジル)「純粋にスポーティングな観点から見て、これらのコースには“特別な地位”が与えられるべきだと思う」とフェルスタッペンは語っている。だが残念ながら、このうち2つ――ザントフォールトとイモラ――は2026年以降のF1との契約を更新しておらず、スパについても2027年からは他の欧州サーキットとの交代制に移行する見込みだ。「F1があそこに戻ることは二度とない」フェルスタッペンはまた、最も有名で危険なサーキットのひとつであるノルドシュライフェについて、F1復帰の可能性を問われた。1976年にニキ・ラウダが生死をさまよう大事故を起こしたこの“グリーン・ヘル(緑の地獄)”は、以来F1カレンダーから外れている。最近、フェルスタッペンはGT3カーで同地を走行し、その経験を楽しんだというが、「今のF1マシンでは絶対に無理」と断言している。「今のF1マシンであのコースを走るなんて、絶対にないよ。GT3レベルのスピードならまだなんとかなる。昔の映像を見ると、F1があそこでレースしてたのが信じられない。一つだけ言えるのは、もう二度とF1があそこで走ることはないってこと。あまりにも危険すぎる」“変わりゆくカレンダー”に不満も近年のF1は世界各地への拡大を続け、きらびやかな都市型レースを次々に導入しているが、フェルスタッペンはそれに対して冷ややかな目を向けている。「もちろん、そうした国々にもモータースポーツ文化が根付いてほしいという思いはある。でも、もし僕がF1カレンダーを決められる立場だったら、全然違う構成にするし、レース数ももっと減らすよ」4度の世界王者にして、“純粋なレースの価値”を訴え続けてきたフェルスタッペンの言葉は、伝統を重んじる多くのファンに響くに違いない。彼にとって、いくつかのサーキットは「代えがたい存在」なのだ。