マックス・フェルスタッペンは、2025年型F1マシンに数々のアップグレードが施されたとしても、レッドブル・レーシングがマクラーレンに対して決勝ペースの差を短期間で埋めるのは「非現実的」だと語った。フェルスタッペンは直近のF1マイアミGPでポールポジションを獲得したものの、決勝ではマクラーレンの優勝者オスカー・ピアストリに約40秒差をつけられて敗れた。レースではウォーキングを拠点とするマクラーレンの優れた決勝ペースが際立ち、フェルスタッペンは後退を余儀なくされた。
マイアミではフェルスタッペンのRB25に新しいフロアが導入され、ヨーロッパ初戦となるF1エミリア・ロマーニャGPでは角田裕毅のマシンにもこの最新仕様が搭載される予定だ。両ドライバーにはさらなるアップグレードも提供される見通しとなっている。この最新仕様のRB21にどれほどの性能向上を期待しているか尋ねられたフェルスタッペンは、次のように答えた。「少しだけだね。でもこれまでのレースでもすでにいくつかのアップグレードが入っていたし、今回もまた小さなステップアップだ。マシンのパフォーマンスが少しでも改善されればいいけど、もちろんマクラーレンとの差が急に縮まるなんてことは期待していない」また、チームのアドバイザーであるヘルムート・マルコが「憂鬱だった」と評したマイアミでのレースについて、フェルスタッペンはこう振り返った。「決勝のペースはマクラーレンを除くすべてのチームにとって憂鬱だった。他の誰もあのレベルに届いていなかった。それが今のところ最も大きな懸念材料だね」さらに2週間後のF1スペインGP(バルセロナ)では追加のアップグレードが投入される見込みで、同時にFIAによるフロントウイングのフレックス規制を強化する技術指令も施行される。この新たな規制は、空力の柔軟性を利用した“グレーゾーンの工夫”を制限する狙いがあり、マクラーレンがその最前線にいるとみられている。ただし、オートスポーツおよびモータースポーツ・コムによると、今回のより厳しい負荷試験によって、これまでこの現象を利用していなかったチームも含め、ほぼすべてのチームがより堅牢な新仕様の導入を迫られているという。とはいえ、マクラーレンの勢いに変化があるか注目される中で、フェルスタッペンはこの技術指令が劇的な影響を与えるとは考えていない。「もちろん、(マイアミであった)コンマ8秒の差を一気に埋められるようなものではないよ」と彼は述べた。現在もっとも懸念されているのは、マクラーレンが高デグラデーションのレースでいかにリアタイヤを労われているのか、その理由をレッドブルを含むライバル勢がまだ解明できていない点だ。レッドブルがタイヤマネジメント面でマクラーレンにどれほど近づけるか尋ねられると、フェルスタッペンはこう答えた。「それを解明しない限りは、どれくらい近づけるかは分からないし、いつ解明できるかも分からない。時間がかかると思う」「あとはサーキットにもよる部分がある。マクラーレンのマシンは、熱によるデグラデーションが多めのサーキットでは特にうまく機能しているのかもしれない」「いつもあれほどのアドバンテージがあるとは限らないとは思うよ。けど、(ピレリが今回イモラに持ち込む)一番柔らかいタイヤは、僕たちにはあまり助けにならないと思う。どうなるか見てみよう」
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