笹原右京が、ハンガリー・ブダペストのハンガロリンクで開催されたユーロカップ・フォーミュラ・ルノー2.0(EURO CUP FR2.0)第3大会を振り返った。ART ジュニアチーム所属の笹原右京は、4番グリッドからスタートしたレース1決勝で後続からの追突によるリタイアを喫し、16番グリッドからスタートしたレース2決勝では12位に留まった。
12日に実施された50分間×2回の練習走行では、初めてのハンガロリンクにもかかわらず2回目に2番手タイムを記録して幸先の良い滑り出しを見せた。翌13日午前に実施された予選は2組に分けられ、グループBに割り当てた笹原は1分41秒231を記録してグループ2番手となり、4番グリッドからレース1決勝に臨んだ。13日午後のレース1決勝、4番グリッドから絶妙なスタートを決めて、2番手と3番手のクルマに接触寸前まで接近。そして続く第2コーナーで巧みなライン取りを披露し、第3コーナーへは3番手で進入。しかし、4番手の選手が笹原の左後輪に追突したためスピン、クルマにダメージを負いリタイアせざるを得なかった。14日午前の予選2回目にも笹原右京はグループBから出場。ところがクルマのセッティングが理想とは程遠くグループ8番手に留まり、16番グリッドからレース2決勝に臨むこととなった。同日午後のレース2決勝、得意のスタートを決めて第1コーナーまでに3台を抜いて13番手へ浮上、さらに第8〜9コーナーで1台を抜き去り、1周終了時点で早くも12番手まで挽回した。しかし、その後はセクター2でのペースが上がらず追い抜きの機会が限られ、笹原右京はそのままの順位でチェッカードフラッグを受けるに留まった。次のレースは9月4〜6日にイギリス・シルバーストンで開催されるEURO CUP FR2.0 第4大会となる。笹原右京「初めてのハンガロリンクに向け、事前にできることはすべてやろうと、時間がある限りレース動画を観て学びました。並行して、オーストリア・レッドブルリンクで開催されたフォーミュラ・ルノー2.0 NEC 第3大会での結果をもとに、チームと長いミーティングを重ねてハンガロリンクへ乗り込みました。こうした準備が功を奏して、練習走行2回目は2番手でした。土曜日のレース1の予選は4番手でしたがライバルとは僅差で、僕が得意とするスタートで挽回は可能と自信を持って臨みました。実際にスタートは決まり、2番手や3番手との速度差は明らかでしたが、2台の強烈なブロックで第1コーナーまでに順位を上げるには至りませんでした。それでも第1コーナーから第2コーナーへの加速で3番手へ上がり、第3コーナーへは3番手で進入しました。ポールシッターがジャンプスタートでペナルティを科されることは目に見えていましたし、2番手も僕より遅かったので、あと1台を抜けば勝てると思っていました。しかし、理不尽な結果に終わりました。マシンはとても良い感触に仕上がっていただけに、レース開始早々に追突されてマシンを降りるのは非常に残念でした。土曜日の結果を受けて、僕とチームは長いミーティングを設けてさまざまな状況を想定し、それをもとにマシンのセッティングを煮詰めました。しかし、絶対に落とせないという気持ちで臨んだ日曜日のレース2の予選は16番手に留まりました。結果は僕らの望んだものとは真逆で、マシンの操縦性は最悪でした。チームからは謝罪の言葉がありましたが、失ったものはあまりにも大きすぎました。それでもレース動画を利用した事前の勉強の成果で、1周目には自分でも満足できるオーバーテイクを叶えました。ただ、残念ながらマシンのセッティングは十分ではなく、2周目以降は追い越しの機会がほとんどないままでした。レース終了後、エンジニアやチーム代表と夜中まで徹底的に長時間ミーティングを行いました。ここまでの大会で何が良くて何がダメだったのか、本音をぶつけ合う中身の濃いミーティングでした。ただ、僕たちの置かれている現状は厳しく、まだまだミーティングは必要です。大量得点を期待できた週末だけに、この失点はチャンピオンシップ争いで非常に痛いですし、もはや不注意は許されません。次の大会まで長いブレークに入ります。チームとともに現状をしっかりと見つめ直し、後半戦は最高の結果で締めくくれるように努力していきます。今後も皆さまのご声援とご支援をよろしくお願い致します!」
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