2019年 FIA世界ラリー選手権(WRC) 第5戦 ラリー・アルゼンティーナの競技2日目デイ2が4月26日(金)にアルゼンチンのビージャ・カルロス・パスを中心に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのオット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヤリスWRC 8号車)が総合3位に、クリス・ミーク/セブ・マーシャル組(5号車)が総合4位に、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(10号車)が総合8位につけた。
ラリー・アルゼンティーナのデイ2は、サービスパークが置かれるビージャ・カルロス・パスの南側に広がるカラムチタ渓谷で、3本のステージを午前と午後で各2回走り、その間にダートサーキットでスーパーSSを1本走行するというスケジュールだった。しかし、前日までの大雨の影響でSS3前後のリエゾン(移動区間)の路面が悪化。安全面に関する問題の発生を懸念した主催者はSS3をキャンセルし、その結果6本計116.07kmのSSが行われた。ステージの上空には朝から灰色の雲が広がり、数日間降り続いた強い雨によって、ステージは全体的にウェットコンディションとなった。前日のスーパーSSで首位に立ったタナックは、デイ2オープニングステージのSS2でもその座を堅持。その後、SS4でミークに首位の座を明け渡したが、午後のSS6とSS7で連続ベストタイムを記録し総合1位に返り咲いた。しかし、最終のSS8でドライブシャフトに問題が起こりスピン。20秒以上のタイムロスを喫したが、それでも首位と13.4秒差の総合3位につけている。ミークはSS2でベストタイムを、SS4でセカンドベストタイムを記録。首位に浮上しSS6までラリーをリードした。しかし、その後順位を下げ、総合3位タナックと14.7秒差の総合4位でデイ2を終えた。前日総合7位のラトバラは、SS4で総合3位にポジションアップした。しかし、SS6でタイヤの空気が抜け、最終のSS8ではスピン。その結果、総合8位で1日を終えた。トミ・マキネン(チーム代表)午前中のステージはとてもポジティブでしたが、午後の再走ステージはとても困難なものとなりました。オィットは素晴らしい速さを披露しましたが、ステージのどこかで衝撃を受けたのか、ドライブシャフトにダメージを負ってしまいました。また、クリスとヤリ-マティも、良い走りを見せてくれた後で問題に遭遇しました。今日のステージはクルマにとって非常に過酷でしたが、明日は、今日よりは易しいのではないかと予想しています。順位が上の選手とのタイム差は依然小さいですし、我々には十分なスピードがあると思います。オット・タナック (ヤリスWRC 8号車)クルマにとって非常に厳しい1日でした。日中のサービスでエンジニアと一緒になってセッティングを変更したところ、状況はかなり良くなったので、午後はより多くの自信を持って走れるようになりました。運転をとても楽しめましたし、良いタイムも出るようになりましたが、最終ステージでドライブシャフトにトラブルが起こってしまいました。それでも、サービスまで走って帰り、修理を行うことができたのは不幸中の幸いです。明日はきっと万全な状態で走れると信じていますので、全力でプッシュします。まだ先は長いので、勝負は続きます。ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 10号車)今朝はとても調子が良く、走りも安定していたのでトップに近い位置につけることができました。午後は状況が厳しくなり、最初は良かったのですが、轍(わだち)が掘れたコーナーにオーバースピードで入ってしまい、タイヤがホイールのリムから外れ、空気が抜けた状態でステージをフィニッシュしました。そのため次のステージでは慎重な走りになり、最後のステージではスピンでさらにタイムを失いました。とはいえまだ2日残っていますし、このようなコンディションでは色々なことが起きると思うので、ポジティブな気持ちで戦いたいと思います。クリス・ミーク (ヤリスWRC 5号車)今日のような路面コンディションは、誰にとっても厳しかったと思います。今朝は本当に走りが楽しく感じられました。限界スピードでは走らず、路面の状態を見ながら、どこが本当に滑り易いのか考えながら走りました。ステージの多くの部分では十分なグリップが得られましたが、所々に深い泥の窪みがあり、それを予想しながら走らなければなりませんでした。午後はクルマにいくつか問題が起こって少しタイムを失いました。いずれにしても、ただ単に自分が良いペースで走れなかっただけだと思います。明日は状況が少しでも良くなり、ポディウム争いができることを期待しています。ラリー・アルゼンティーナ デイ2の結果1 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) 1h11m13.9s2 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(シトロエン C3 WRC) +11.9s3 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリス WRC) +13.44 クリス・ミーク/セブ・マーシャル (トヨタ ヤリス WRC) +28.1s5 アンドレアス・ミケルセン/アンダース・ジーガー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +29.4s6 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (フォード フィエスタ WRC) +38.2s7 ダニ・ソルド/カルロス・デル・バリオ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +41.1s8 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +1m13.6s9 テーム・スニネン/マルコ・サルミネン (フォード フィエスタ WRC) +1m59.2s10 マッズ・オストベルグ/トシュテン・エリクソン (シトロエン C3 R5) +6m11.1s明日のステージ情報競技3日目となる4月27日(土)のデイ3は、サービスパークを中心に7本のSSが行わる。午前中はサービスパークの西北に広がるプニラ渓谷で3本のグラベルステージを走行。その後、デイ2と同じようにサービスパーク近くのダートサーキットでスーパーSSを1本走り、午後はカラムチタ渓谷の3本のステージを再走する。7本のSSの合計距離は146.52km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は342.47kmとなる。注目のステージ:SS11/15クチシャ・ネバダーチャラカット 全長33.65kmマルティン・ヤルヴェオヤ(ヤリスWRC 8号車 コ・ドライバー)昨年より7km短くなりましたが、それでも今大会最長のステージです。前のステージを走り終えて、たった1kmでこのステージが始まるので、リセットするための十分な時間がありません。明日のステージに関しては、雨が降る中でレッキ(ステージの事前下見走行)を行ないましたが、今現在は天気が良くなり路面は乾き始めていますので、明日どのような路面コンディションになるのか、正...
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