2019年 FIA世界ラリー選手権(WRC) 第5戦ラリー・アルゼンティーナが4月25日(木)に開幕。アルゼンチンのコルドバ近郊ビージャ・カルロス・パス市街地でスーパーSSが行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのオット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヤリスWRC 8号車)が総合1位に、クリス・ミーク/セブ・マーシャル組(5号車)が総合3位に、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(10号車)が総合7位につけ、ヤリスWRCは全車が順調なスタートを切った。
ラリー・アルゼンティーナ最初の走行となったシェイクダウンは、25日の午前中にビージャ・カルロス・パスのサービスパークから約11km離れた丘陵地帯で行われた。全長4.25kmのグラベル(未舗装路)ステージは、前日からの激しい雨によりウェットコンディションに。路面の一部はマディ(泥状)となり、非常に滑りやすい状態だった。そのシェイクダウンでは、タナックが全体のベストタイムを記録。ミークはライバルと同タイムの2番手タイムを刻み、ラトバラは8番手タイムだった。雨はその後も止まず、明日のグラベルステージもウェットコンディションとなる可能性が非常に高いため、チームにとってシェイクダウンは濡れた路面での最終セッティングを確認する良い機会になった。夜7時過ぎからは、ビージャ・カルロス・パスの市街地でスーパーSSが行われた。グラベルとターマック(舗装路)が交じり合った全長1.9kmのステージで、タナックが2番手タイムの選手に1.6秒差をつけるベストタイムをマーク。ミークも3番手タイムを記録するなど、シェイクダウンの良い流れを保ったまま最初のステージを走破した。カイ・リンドストローム(スポーティング・ディレクター)今晩のスーパーSSで首位に立ったのは素晴らしいことですが、我々は明日からの戦いに集中しています。きっと、過去にないくらい荒れたラリー・アルゼンティーナになるでしょう。数日間に渡り多くの雨が降ったため、ステージの路面は今朝のシェイクダウンと同じように非常に悪い状態です。チームはそのような路面に合った正しいセットアップを見つけるべく努力し、ドライバーはクルマのフィーリングに満足しています。ステージのコンディションが悪くなるとクルマはダメージを受けやすくなるため、ドライバーはより注意深く戦わなければなりません。これから天気は良くなり路面は乾いていくと思いますが、少なくとも明日のステージはウエットコンディションになるでしょう。そして、1回目の走行後に路面がどれだけ変化するのか、注視したいと思います。オット・タナック (ヤリスWRC 8号車)今晩のスーパーSSでは、多くの熱心なファンの前で走り、良いタイムが出たので素晴らしいスタートになりました。我々ドライバーは、南米のファンの皆さんの応援を本当に楽しんでいます。朝のシェイクダウンでクルマの状態は良く、最初の走行でトップタイムを出すことができました。しかし、その後何回か走るうちに路面はどんどん崩れていき、あまり良い路面コンディションではなかったので、とにかくクルマを労って走りました。アルゼンチンはいつもタフなラリーですが、今年は悪天候により、さらにスパイスが加わったと思います。数日間雨が降り続き、明日のステージは泥と水に覆われているはずですので、全選手にとって難しいスタートになるでしょう。ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 10号車)今週末は、誰にとっても大変難しいラリーになるでしょう。大量の雨により、路面は本当に軟らかくなっています。今朝のシェイクダウンでは、既に深い轍(わだち)が刻まれていました。あのような路面を走るとクルマに大きな負荷がかかるため、純粋に速さを求めるだけでなく、耐久性についても考えながら走らなければなりません。シェイクダウンではセッティングの微調整を続けましたが、最後の走行でとても良いフィーリングが得られ、荒れた路面に合ったセッティングを見つけられたと思います。クリス・ミーク (ヤリスWRC 5号車)このラリーでは、これまで常に強さを示すことができていましたが、今週降り続いた雨により、今回はきっと難しいチャレンジになるでしょう。天気はこれから良くなっていくと思いますが、ステージの路面は非常に軟らかい状態です。砂状の路面は、水分を含むと一気に崩れて非常に深い轍ができます。明日のステージは今週火曜日にレッキ(ステージの事前下見走行)を行い、とてもハイスピードなステージでしたが、その後多くの雨が降ったので、きっと我々が走った時にはなかった水たまりが多くできているでしょう。そのため、コンディションの変化に関して良く分からないままステージに挑まなければなりません。今晩のスーパーSSでは良い走りができましたが、明日は大きなチャレンジが我々を待っています。ラリー・アルゼンティーナ デイ1の結果1 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリス WRC) 1m58.6s2 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(シトロエン C3 WRC) +1.6s3 クリス・ミーク/セブ・マーシャル (トヨタ ヤリス WRC) +1.7s4 アンドレアス・ミケルセン/アンダース・ジーガー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +2.0s5 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +2.1s6 ダニ・ソルド/カルロス・デル・バリオ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +2.3s7 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +2.3s8 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (シトロエン C3 WRC) +2.9s9 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (フォード フィエスタ WRC) +3.1s10 テーム・スニネン/マルコ・サルミネン (フォード フィエスタ WRC) +3.5s明日のステージ情報競技2日目となる4月26日(金)のデイ2は、サービスパークを中心に7本のSSが行われる。午前中はサービスパークの南側に広がるカラムチタ渓谷で3本のグラベルステージを走行。その後、サービスパーク近くのダートサーキットでスーパーSSを1本走り、日中のサービスを受けます。午後はカラムチタ渓谷の3本のグラベルステージを再走し、サービスパークへと戻る。7本のSSの合計距離は145.92km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は656.61kmとなる。注目のステージ:SS2/6ラス・バイヤダス-ビラ・デル・ディク 全長16.65kmマルティン・ヤルヴェオヤ(ヤリスWRC 8号車 コ・ドライバー)明日の朝1番に走るこのステージは、最初の本格的なグラベルステージとなるので特に重要です。レッキの際はドライコンディションでしたが、その後雨が降ったので、路面がどの...
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