TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、9月13日(木)から16日(日)にかけて開催されるFIA世界ラリー選手権(WRC)第10戦ラリー・トルコに、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC #7号車)、オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(#8号車)、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(#9号車)の、3台のヤリスWRCで参戦する。第8戦ラリー・フィンランド、第9戦ラリー・ドイチェランドと2戦連続でタナックが優勝を飾り、チームは良い流れを維持すべく次なるイベント、ラリー・トルコに臨む。
トルコでWRCが開催されるのは2010年以来となり、今回で7回目となる。ただし、開催地は以前にWRCが行なわれたトルコ南西部のアンタルヤ県や、北西部のイスタンブール県ではなく、地中海に面する南西部ムーラ県のマルマリスが中心となる。そのため、すべての参加者にとって新たな挑戦となり、ゼロの状態からペースノートを作らなければならない。レッキ(コースの事前下見走行)では、コースの情報をいかに正確にペースノートに書き記すかが重要な課題となる。ラリー・トルコは今シーズン6回目のグラベルラリーであり、様々な路面のステージが予想される。マルマリス周辺の道は比較的スムーズだが、北側に広がるムーラ周辺の山岳路は石や岩が多く、クルマとタイヤに厳しいステージといえる。WRCの規則によってトルコでの事前テストは禁じられているため、チームはトルコと似たような路面、気候で走行できるポルトガル南部で先週事前テストを実施し、ラリー・トルコに向けた準備を終えた。ラリーのサービスパークは、地中海に面したマルマリスの市街地から少し内陸に入ったアスパランに置かれ、そこを中心にSS(スペシャルステージ)が行なわれる。競技初日となる9月13日(木)は、夕方マルマリスの市街地でのセレモニアルスタートに続きスーパーSSが1本行なわれる。14日(金)のデイ2は、マルマリスの北側エリアで3本のステージを各2回走行。15日(土)のデイ3は西側エリアで3本のステージを各2回走る。そして、最終日となる16日(日)は、北側エリアでの2本のステージに加え、サービスパークの近くで2本のステージが行なわれる。そのうち、SS14の再走ステージかつ最終SSとなる「マルマリス2」は、ボーナスポイントの獲得が可能な「パワーステージ」に指定されている。SSは全部で17本用意され、その合計距離は312.44km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は875.34kmとなる。トミ・マキネン(チーム代表)直近2戦の結果は素晴らしく、もちろんその好調を維持するのが今回の目標です。しかしトルコはすべてのチームにとって初めてのラリーであり、知らない事が多くあります。私は初めてトルコでWRCが開催された2003年の大会に出場しましたが、コンディションは非常に厳しく、路面はかなり荒れていた事を覚えています。ただし今回は違うエリアでの開催となるため、一体どのようなコースなのか正確には分かりません。我々はできる限りの準備をしてきましたし、先週はポルトガル南部で成功裏にテストを終えました。我々がラリーで直面するであろう状況、特に高い気温に対する備えができたのではないかと思っています。ヤリ-マティ・ラトバラ(ヤリスWRC #7号車)完全に新しいWRCイベントに向けた準備は数年ぶりです。新たにペースノートを作ったり、コースの特徴に対する知識が十分ではなかったり、同じステージを2度目に走る時に路面がどう変化するのかなど、未知なる事ばかりです。私は2008年にアンタルヤ周辺で開催されたWRCトルコ大会に初めて出場しましたが、非常に暑く、ロングステージはとてもハードで、タイヤに厳しいラリーでした。ですから今回もそれと似たようなラリーになるのではないかと予想していますし、かつてWRCが開催されていたアクロポリス・ラリーにも似ているのではないかと思っています。事前テストは上手く行き、特にサスペンションに関して進化があったので、クルマにはとても満足しています。オット・タナック(ヤリスWRC #8号車)最近2戦の良い結果にはもちろん満足していますが、それでも依然1戦、1戦が勝負です。ラリー・トルコに対するノウハウはあまりないため、どのようなラリーになるのか予想できません。荒れた路面での戦いになるだろうと言われていますが、実際どうなのかはレッキをすれば分かるでしょう。ただし、気温がかなり上がるのは間違いないと思います。ポルトガル南部での事前テストはトルコに向けて良い準備になりましたし、戦うために必要な事はすべてやったと思います。現時点でできる事はあまりなく、後は自分達で実際にステージを確認するだけです。エサペッカ・ラッピ(ヤリスWRC #9号車)トルコは予想外のラリーになると予想しています。路面は荒れていて、滑りやすいルーズグラベルが多く、タイヤマネージメントが鍵を握るだろうというのが、我々が得ている情報です。ですから、午後の距離が長い再走ステージが重要になるでしょう。事前テストでは、気温が35度程度の荒れた路面を走るとタイヤの摩耗がかなり進む事が分かりました。とはいえ、全体的にテストは非常に上手く行き、良いセッティングを見つける事ができました。何か新しい事を学ぶチャンスだと思いますので、チャレンジを楽しみにしています。今のところ、早い出走順でルーズグラベルで覆われた路面を走るのが私はあまり得意ではないので、それを改善したいと思っています。
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