2018年 FIA 世界ラリー選手権(WRC) 第8戦ラリー・フィンランドの競技最終日デイ4が7月29日(日)にいユバスキュラを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのオット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組 (ヤリスWRC 8号車)が今季2勝目を飾った。また、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(7号車)は総合3位でフィニッシュ。総合4位につけていたエサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(ヤリスWRC 9号車)は、クラッシュによりリタイアとなった。
ラリー・フィンランドのデイ4は、ユバスキュラの東側エリアで2本のステージを各2回走行。デイ3で総合2位の選手に39秒のギャップを築いていたタナックは、注意深く最初の3本のSSを走行した。しかし、トップ5タイムを記録した選手にボーナスの選手権ポイントが与えられる、最終のパワーステージでは今ラリー12回目となるベストタイムを記録し、第5戦ラリー・アルゼンティーナ以来となる今シーズン2勝目を手にした。タナックとヤルヴェオヤはパワーステージを走り終えた直後、チーム総代表の豊田章男トヨタ自動車社長、チーム代表のトミ・マキネンと共にクルマのルーフ上に立ち、優勝の喜びを分かち合った。パワーステージを制しボーナスの5ポイントを獲得したタナックは、ドライバーズ選手権では依然3位ですが、2位の選手との差を大幅に縮めた。また、チームはマニュファクチャラーズ選手権2位のチームとの差をわずか1ポイントに縮めた。総合3位でデイ4をスタートしたラトバラは、2本のSSベストタイムを記録。総合2位の選手との差を2.5秒まで縮めたが、残念ながら逆転はならず。それでも、開幕戦ラリー・モンテカルロ以来となる総合3位でラリーを締めくくった。また、デイ3で総合4位に順位を上げていたラッピは、デイ4最初のSS20でクラッシュ。残念ながら完走を果たす事ができなかった。なお、ヤリスWRCはラリー・フィンランドの全23本のSSのうち、18本でベストタイムを記録するなど、高速グラベルラリーにおけるパフォーマンスを証明した。WRC次戦は、8月16日(木)から19日(日)にかけてドイツ西部のボスタルジーを中心に開催される、第9戦「ラリー・ドイチェランド」。完全なターマック(舗装路)ラリーとしては今シーズン2戦目となり、ブドウ畑の中の狭くツイスティな道、軍事演習場内の滑りやすいコンクリート路、そして一般的な峠道など、様々なタイプの舗装路を走行する。また、地形および季節的に雨が降る事も多く、路面がウェットになると途端に難易度が跳ね上がるのも、ラリー・ドイチェランドの特徴。豊田 章男(チーム総代表)トヨタガズーレーシングワールドラリーチームの本拠地で母国とも呼べる、ここフィンランドでの勝利が、これほど嬉しいものとは思いませんでした。この感動をもたらしてくれたチームのみんなにお礼を言いたいと思います。この場に一緒にいさせてくれて、そして、その一番高いところからの景色を見させてくれて本当にありがとう! ドライバー達が、ホームロードを心から楽しんで運転しているのが、コースサイドから見ていても伝わってきました。フィンランドの道が、ドライバーにとって楽しく、安心して走れるクルマをつくってくれたのだと思います。 今回初めて、チームのホームタウンで戦うラリーに参加し、地元の皆さんが、こんなにもトヨタガズーレーシングを温かくサポートし、応援してくださっている姿を見て、この地が本当の意味で「母国」なんだと実感することができました。SSやサービスパークには、トヨタガズーレーシングの旗やフィンランド、エストニアの国旗を振りながら「I love TOYOTA! I love Yaris!」と声援を送る人が溢れていました。街には「Welcome to my home roads」と書かれたヤリスの大きな看板が掲げられ、ハンバーガーショップに入れば店員がトヨタガズーレーシングのTシャツを着ていました。18年振りの復帰から2年目で、こんなにも我々が地元の皆さんに温かく迎え入れてもらえていることを知るとともに「母国」で勝利することの喜び、素晴らしさを知ることができました。応援してくださったファンの皆様に、あらためて感謝いたします。本当にありがとうございました。今シーズンの戦いはまだ続いて参ります。エストニア、フィンランド、日本の国旗が並んで掲げられる姿を今後もファンの皆様にご覧いただけるように、引き続き、チームのみんなと努力を重ねてまいります。応援よろしくお願いいたします。今はまだ、日本でのWRCは開催されておりませんが、もう一つの母国である日本で、今日のように三カ国の旗がはためくことを表彰台の上で空を見上げながら想像していました。近い将来、その日を迎えられたらと、改めて強く願っています。トミ・マキネン(チーム代表)何という週末、何というラリーでしょうか! 我々にとって本当に素晴らしい瞬間でした。特にオットは、信じられないような走りを続け、最終のパワーステージでも勝利しました。また、最終ステージまで2位の座を競い続けたヤリ-マティの戦いも素晴らしかったと思います。彼の2位浮上は叶いませんでしたが、それでも我々にとってのホームイベントでこのような良い結果を得られた事に、とても満足しています。ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 7号車)2位でフィニッシュするために、全力を尽くして走りました。本当に素晴らしい戦いができたと思います。ミスなくすべてを上手くまとめ、このようなハードな戦いを続けられた事で自信がつきました。久々にポディウムに上がり、しかもそれが地元のフィンランドだったこともあり、本当にハッピーです。オットの優勝も含め、チームにとって大きな意味を持つ結果だと思います。オット・タナック (ヤリスWRC 8号車)すべてが自分が望んだように進み、完璧な週末となりました。金曜日は早い出走順によってかなり苦労しましたが、その後はリードを拡げて行く事ができました。完璧な準備をしてラリーに臨み、チームも手厚くサポートをしてくれました。すべてがひとつになれば、このような良い結果が得られるのです。私にとってホームイベントのようなこの1戦で、フィンランドに拠点を置くチームと共に挙げた優勝は特別なものです。そして、サポートしてくれた人々の前での勝利は格別な気分です。エサペッカ・ラッピ (ヤリスWRC 9号車)残念ながら、私のラリーは今朝最初のSSをスタートした後すぐに終わってしまいました。クルマはとても良いフィーリングで、ミスは自分のせいです。コーナリングラインが少しワイドに膨らみ、タイヤが路肩の溝に落ちて木の切り株に当たりスピンしてしまったのです。金曜日...
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