2018年 FIA世界ラリー選手権(WRC)第7戦ラリー・イタリア サルディニアのデイ2が6月8日(金)にサルディニア島アルゲーロを中心に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC 7号車)が総合3位に、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(9号車)が総合4位につけた。なお、オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(8号車)は、SS9で冷却系にダメージを負い走行を中止した。
ラリー・イタリア サルディニアのデイ2は、アルゲーロの北東エリアで8本のSSが行なわれた。断続的に朝まで降った雨により、午前中はウェットとドライが入り混じった複雑な路面コンディションとなった。また、午後は一時的な降雨で一部路面が泥濘化。タイヤのグリップ力を得にくい、非常に滑りやすいコンディションでの走行となった。1日を通してミスのない走行を続けたラトバラは、デイ2最後のSS9でベストタイムを記録し、総合3位に順位を上げた。また、SS2でスローパンクチャーを喫したラッピは、午後のステージで2本のセカンドベストタイムを刻み、ラトバラと4.4秒差の総合4位でデイ2を終えた。なお、タナックは午前中のSS4でベストタイムを記録し、今シーズンの開幕戦から続く全ラリーでのSSベストタイム獲得記録を更新した。SS8を走り終えた時点でタナックは総合3位につけていたが、SS9でジャンプの着地の際冷却系にダメージを負い走行を中止。チームはクルマを精査し、ラリー2規定に基づきデイ3での再出走が可能か否かを判断する。競技3日目となる6月9日(土)のデイ3は、アルゲーロのサービスパークを中心に7本のSSが行われる。アルゲーロの東側エリアで午前中に3本のSSを走行し、午後はイッティリでのショートSSを挟み、午前中に走った3本のSSを再走する。SS12およびその再走ステージであるSS16「モンテ・レルノ」はビッグジャンプで知られる、ラリー・イタリア サルディニアの名物ステージ。7本のSSの合計距離は146.14km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は629.53kmとなる。トミ・マキネン(チーム代表)オットのクルマに何が起こったのか、まだ正確には分かりません。明日再出走できるかどうかを判断するため、チームは現在クルマを調べています。選手権争いのためオットは今回のラリーで良い結果を残そうとしていたので、本当に残念です。とにかく、今日は非常に難しい1日でした。我々はラリー・アルゼンチンの前にサルディニアでテストを行ないましたが、その時は完全なドライコンディションでした。しかし今日の路面は正反対で、多くの泥によってグリップ力があまり得られない状況でした。そのような路面でクルマがどう動くのか情報が不足していたこともあり、今朝のセットアップはベストとはいえないものでした。しかし、午後のステージに入り路面が乾いていくと、ヤリ-マティとエサペッカは共にスピードアップを果たしました。彼らはどちらも上位につけていますので、明日はきっと良い戦いをしてくれるでしょう。ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 7号車)とてもポジティブな1日でした。今朝の2本目のSSは少し慎重に走り過ぎたと思いますが、その後リズムをつかみスピードを上げることができました。トゥーラのステージを2回目に走った時は、大量の雨と泥でまるでウェールズのような滑りやすい路面コンディションでした。ステージの終盤に大きく遅れてしまいましたが、その後コンディションは良くなり、自信を持って攻められるようになった結果、SS9ではベストタイムを出すことができました。エサペッカとのタイム差は少ないので、明日はきっと接戦になるでしょう。明日は私のお気に入りのステージを走りますが、何よりも大切なのはミスをしないことです。その上でスピードを高めていくことができれば、きっと良いポジションを得られるはずです。オット・タナック (ヤリスWRC 8号車)本日最後のSS9でジャンプの着地の際、クルマにダメージを負い止まらざるを得ませんでした。SS9のコースは昨日のシェイクダウンと午前中のSSでも走行していたので今回が4回目の走行でした。常に同じアプローチで走っていたので、一体何が起こったのか説明することが難しく、自分でも本当に驚いています。 非常に厳しい状況ですし、大きな後退だと感じています。正直なところクルマのフィーリングは完璧ではありませんでしたが、それでも特に大きな問題なく走っていましたし、トップ争いもしていたので、このような問題によってデイ2からリタイアすることになり本当に残念です。タイトル争いはかなり厳しくなりましたが、残りのラリーをすべて勝つつもりでこれからも戦い続けます。エサペッカ・ラッピ (ヤリスWRC 9号車)今朝はとても難しい状況でした。クルマのフィーリングは良かったのですが、最初のSSでスローパンクチャーを喫してしまいました。搭載していたスペアタイヤはハードコンパウンドだったため、雨によって滑りやすくなった路面には合いませんでした。午後の最初のステージは雨と泥で信じられないようなコンディションでしたが、良い走りができタイムを挽回することができました。その後路面が乾いていったのでクルマのセットアップを少し変えて最後のSSに臨み、トップに迫るタイムを記録することができました。明日に向けてさらにグリップが得られるようにクルマを調整し、表彰台を目指して戦います。ラリー・イタリア サルディニア デイ2の結果1 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (フォード フィエスタ WRC) 1h35m56.9s2 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +18.9s3 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +37.2s4 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (トヨタ ヤリス WRC) +41.6s5 マッズ・オストベルグ/トシュテン・エリクソン (シトロエン C3 WRC) +58.3s6 ヘイデン・パッドン/セバスチャン・マーシャル (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +1m01.5s7 クレイグ・ブリーン/スコット・マーティン (シトロエン C3 WRC) +1m26.0s8 ステファン・ルフェーブル/ギャバン・モロー (シトロエン C3 R5) +4m02.9s9 ヤン・コペツキ/パヴェル・ドレスラー (シュコダ ファビア R5) +4m16.9s10 ニコラス・シアミン/ティボー・デ・ラ・ヘイ(ヒュンダイ i20 R5) +5m20.7s19 オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリスWRC) +10m15.1s
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