2018年 FIA 世界ラリー選手権(WRC) 第1戦 ラリー・モンテカルロの競技3日目デイ3が27日(土)にフランス南部ギャップを中心に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのオット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヤリスWRC #8号車)が総合2位に、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(#7号車)が総合3位に、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(#9号車)が総合4位につけ、ヤリスWRCは全車が良いポジションでラリー最終日に駒を進めることに成功した。
競技3日目のデイ3は、サービスパークを中心に2本のステージを各2回走行し、その後デイ1でSS2として走行したステージをSS13として再走。全部で5本、計117.55kmのSSが行なわれた。オープニングのSS9と、続くSS10はステージの多くの部分が雪で覆われ、とても滑りやすい路面コンディションになった。首位と14.9秒差の総合2位でデイ3をスタートしたタナックは、SS9で差を1分18.4秒に拡げられましたが、SS10ではダンパーに問題を抱えながらもトップタイムを記録。サービスで問題を解決した後、SS11では2番手タイムの選手よりも15.3秒速いトップタイムを記録するなど激しく追い上げ、最終的には33.5秒差まで挽回を果たし総合2位の座を守った。デイ2終了時点で総合5位だったラトバラは、経験に裏打ちされた安定感のある走りを続け、SS9で総合3位にポジションアップ。総合4位だったラッピはSS11でパンクを喫し、タイヤ交換作業を余儀なくされ総合5位に後退しましたが、その後速いペースで追い上げ、前日と同じ総合4位でデイ3を走り終えた。競技4日目、ラリー最終日となる1月28日(日)のデイ4は、モナコ北側に広がるフランスの山岳地帯で2本のステージを各2回走行する。SS14とその再走ステージであるSS16は、途中で有名なチュリニ峠を通過。昔から多くの観客が集まり盛り上がることで知られるチュリニ峠のコースは、ラリー・モンテカルロのハイライトといえる。また、SS15の再走となる最終ステージのSS17は、トップ5タイムを記録した選手に対しボーナスポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。4本のSSの合計距離は63.98km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は224.58kmとなる。カイ・リンドストローム (スポーティング・ディレクター)ひとことで言えば、とても良い1日でした。今朝の極めて難しいコンディションの中、我々のチームの全ドライバーは素晴らしい仕事をしてくれました。エサペッカはパンクでタイムをロスしましたが、それでも何とか4位まで挽回しました。彼があのような状況でも冷静さを保てたのは、大きな収穫だと思います。もちろん、タナックは今日も非常に速く、ラトバラは良いドライブをできています。明日に関して唯一分からないのは天気がどうなるかですが、勝負は最後のタイムコントロールを通過するまで続きます。ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC #7号車)今日は典型的なラリー・モンテカルロの天気のなかでのラリーでした。午前中は雨と雪に見舞われ、午後は晴れて乾いた路面を走るというように、1日の中に四季があるような感じでした。ラリーが始まる前、私は「トップ3以内ならば完璧」だと言いましたが、実際のところ現在の順位に満足しています。完全にうまく行っているとは言えませんが、後続との差は大きく開いています。ですので、今は自分自身のドライビングに集中しています。今回は大きなリスクを避けてフィニッシュすることを目標に置いていますし、それがとても重要であると思います。オット・タナック (ヤリスWRC #8号車)自分とチームにとって、今日も力強い1日となりました。また、運転がとても楽しく感じられるくらいクルマは好調でした。雪の中の最初のSSでタイムを失ったのは残念ですが、それ以降のSSは本当にうまく走れたと思います。気持ち良くかつクレバーに、そしてコースから外れないように注意しながら、自分のペースを保つことだけを考えて走り続けました。ヤリスWRCでの最初のラリーで、現在の順位につけていることにとても満足しているので、リスクをおかしてまで順位を上げようとは思っていません。また、チームとしてもそのほうが良いと思います。シーズンが始まる前の段階で、私たちのチームには良いドライバーが揃い、クルマに競争力があると確信していたので、チームにとっても良い展開だと思います。エサペッカ・ラッピ (ヤリスWRC #9号車)比較的スピードが低い左コーナーで雪が解けてぬかるんだ状態となっていました。そこで滑ってしまい、ワイドに膨らんで土手に当たりリヤタイヤがホイールから外れてしまいました。そこまではミスなくクリーンに走っていただけに多くのタイムを失い残念ですが、それでもまだ4位につけています。明日も4位のポジションを守り抜くのは決して簡単ではないと思いますが、路面がドライならば自信はあります。なぜなら、今日最後のSSでクルマのフィーリングがとても良かったからです。タイヤのグリップレベルさえ大きく変わらなければ限界を把握することができ、そういう路面で私はいつも良い走りをできていると思います。
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