10月5日(木)、2017年FIA世界ラリー選手権(WRC)第11戦ラリー・スペインのシェイクダウンがスペイン北東部のカタルニア地方のサロウで行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC #10号車)、ユホ・ハンニネン/カイ・リンドストローム組(ヤリスWRC#11号車)、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(ヤリスWRC #12号車)は、明日から始まる競技に向けてヤリスWRCの最終調整を行なった。
シーズン唯一のミックスサーフェス・ラリーであるラリー・スペインは、競技初日のデイ1はグラベル(未舗装路)中心のSSを走行し、デイ2およびデイ3はターマック(舗装路)のSSを走行する。そのため全長2.97kmのシェイクダウンコースもグラベルとターマックのミックスサーフェスとなり、各選手ともグラベル仕様のクルマで走行。ヤリスWRCは既に事前テストで良いセッティングに仕上がっていたため、シェイクダウンでは各部が正常に機能しているかどうかの確認作業に終始し、大きなセッティング変更は行わなかった。競技初日となる10月6日(金)のデイ1は、サロウのサービスパークを中心に、6本のSSが行われる。サロウの西側に展開するSSは大部分がグラベルだが、SS3およびその再走ステージのSS6は途中に比較的長いターマックセクションを含む。ただしデイ1のクルマはタイヤや足まわりなどがグラベル仕様のため、ターマックセクションでは必ずしも路面に合っていないセッティングで走らなければならない。また、ターマックセクションでグラベル用タイヤをすり減らすと、その後のグラベルセクションでグリップが低下する。そのため、ドライバーは全体のバランスを考えて走行する必要がある。6本のSSの合計距離は115.90km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は510.56kmとなっている。トム・フォウラー (チーフ・エンジニア)シェイクダウンのコースは実際にラリーで使われるSSと大きく異なるため、各システムの確認作業とエンジンのパフォーマンス分析に留めましたが、それらはすべてうまくいきました。シェイクダウンはデイ1と同様ミックスサーフェスのコースだったので、グラベル仕様で走行しましたが、とてもトリッキーでした。シェイクダウンのコースにセッティングを合わせると明日からのラリー本番に合わなくなる可能性があるため、いつもシェイクダウンで行なっているエンジンのセッティング調整以外のことは特に行ないませんでした。ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC #10号車)シェイクダウンではハンドリングがややアンダーステアに感じましたが、実際のラリーとは異なるタイプのコースだったので気にしていません。しばらくラリーから離れていたので少々感覚がなまってしまいましたが、休みも終わり、新たな気持ちで戦いに臨みます。このラリーでは5回表彰台に登っていますが、優勝はまだないので優勝を目指して頑張ります。デイ1はグラベルが中心のコースですが、SS3およびSS6の「テーラ・アルタ」は途中でターマック区間があり、タイヤにとても厳しいステージなので、挑戦のし甲斐がある1日となるでしょう。ユホ・ハンニネン (ヤリスWRC #11号車)シェイクダウンはセットアップにあまり適したコースではありませんでしたが、クルマのフィーリングはとても良く、特に何かを変える必要はないと思いました。明日のグラベルステージは、ドライならば道の表面を覆うルーズグラベルによって、とても滑りやすく難しい路面コンディションとなるでしょう。ただし私はやや後方の出走順となるため、走行ラインはクリアになっている可能性があります。デイ2からの残る2日間を有利に戦うためにも、明日はできる限りプッシュする必要があります。エサペッカ・ラッピ (ヤリスWRC #12号車)ようやく長い休みが終わり、クルマに戻ることができて嬉しく思います。今日のシェイクダウンではクルマのバランスやセットアップがコースに合っていませんでした。しかし、実際のSSは今日とはかなり異なるので、ラリー本番ではうまくいくと信じています。とにかくクリーンな走りを心がけ、トラブルを避けて戦い、できれば表彰台に登りたいと思います。
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