1月21日(土)、2017年FIA世界ラリー選手権(WRC)開幕戦ラリー・モンテカルロのデイ3がフランスのギャップを中心に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racingのヤリ-マティ・ラトバラ(ヤリスWRC)は表彰台圏内となる3位に順位を上げた。また、前日リタイアのユホ・ハンニネン(ヤリスWRC)は、修復を終えたマシンで再出走。最終SSでのパンクにも関わらず、総合16位までポジションを回復した。
ラリー・モンテカルロの競技3日目となるデイ3は、ギャップのサービスパークの南側エリアで5本計121.39kmのSSが行なわれた。前日に続きギャップの周辺は好天に恵まれ上空には青空が広がったが、コースの舗装路面は所々ウェットで、日陰には残雪やアイスバーンが残るなど、依然としてトリッキーなコースコンディションとなった。しかし、ラトバラはSS3番手タイムを刻むなど好調を維持。前日よりもひとつ上の総合3位でデイ3を走りきった。また、前日リタイアのハンニネンは、メカニックたちの完璧な修復作業によりデイ3に再出走。力強い走りで着々と順位を上げていったが、最終ステージのSS13でパンクに見舞われ、マシンを止めてタイヤ交換作業を行なった結果、タイムをかなりロスしてしまった。トミ・マキネン(チーム代表)ヤリ-マティとユホの、今日のデイ3までのパフォーマンスには良い意味で驚いています。これほどの速さを示すことができるとは、正直思っていませんでした。ただし、今日もヤリ-マティのマシンには小さな電気系のトラブルが発生し、彼の集中力を乱してしまったことを申し訳なく思っています。それでも、ヤリ-マティは問題を感じさせないほど素晴らしい走りを見せてくれました。また、再出走を果たしたユホもよく頑張ってくれたと思います。ラリーは残りあと1日。明日のSSの合計距離は約50kmと短いですが、気を緩めず最後までしっかり戦い抜きたいと思います。ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC #10号車)総合3位で最終日を迎えることができるなんて、ラリーが始まる前は思っていませんでした。今日のステージも非常にトリッキーで路面状態が刻々と変わっていったので、問題が起こらないようにかなり余裕を持って走行しました。そして、自分自身のドライビングやマシンのセッティングを、コースの様々なコンディションに合わせて少し変えたりもしました。ここまでラリー・モンテカルロをとても楽しんでいますが、最後まで集中力を保ち続け明日のフィニッシュを迎えたいと思います。ユホ・ハンニネン (ヤリスWRC #11号車)昨日のリタイアによって失った走りのリズムを取り戻すのは、簡単ではありませんでした。今日はとにかくミスをおかさないよう注意して走り続けたのですが、最終ステージではスタートから1kmも行かないあたりでタイヤがパンクしてしまいました。パンクの原因はよく分からないのですが、かなりスピードの高いコーナーだったのでコースを外れて路肩に飛び込んでしまいました。ただし、それ以外は順調な1日だったので、明日も今日と同じように1日を戦いたいですね。Topics全WRCイベントの中でもっとも古い歴史を誇るラリー・モンテカルロの初開催は1911年。ヨーロッパやアフリカの各都市から、モナコを目指して参加者たちが走ったのがラリーという競技の始まりとされている。その伝統は、いくたびかスタイルを変えながらも連綿と受け継がれ、現代のラリー・モンテカルロでもモナコを目指す旅は行程に含まれている。そして今晩、ギャップ周辺でのSSを戦い終えた選手たちは、伝統に従い遠く離れた離れたモナコへと向かう。明日のステージ情報ラリー最終日となる明日の競技4日目デイ4は、モナコの北側に広がるフランス山中が舞台となる。SSは4本用意され、2本のステージを各2回走行。有名な「チュリニ峠」もコースに含まれている。1日を通してサービスの設定がないため、少しのミスで勝負が台無しになってしまう危険性もある。最終ステージのSS17は、上位タイムを刻んだ選手に対しボーナスのドライバーズポイントが与えられるパワーステージに指定されている。全4SSの合計距離は53.72kmで、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は221.23km。競技終了後、モナコ王宮前で行なわれる表彰式で2017年のラリー・モンテカルロは閉幕する。【WRC】 ラリー・モンテカルロ 3日目:オジェが首位、ラトバラが3位に浮上