FIA世界耐久選手権(WEC)第7戦 富士6時間レースで勝利を飾ったTOYOTA GAZOO Racingは、その勢いを駆って中国・上海での第8戦・上海6時間レースに挑む。初日となる11月4日(金)は午前10時と午後3時半から、それぞれ1時間半ずつの公式練習走行が行われた。
公式練習1回目ではTS050 HYBRID #5号車はセバスチャン・ブエミが乗り込み1分47秒445のタイムで3番手、TS050 HYBRID #6号車は小林可夢偉が1分47秒632で4番手のタイムを記録した。公式練習2回目では#5号車が4番手(1分46秒812)、#6号車は6番手(1分47秒860)だった。今年のWECもこの上海6時間レースを含めて残り2戦。#6号車の3人のドライバーは現在ドライバーズ選手権でトップのポルシェ#2号車のドライバーに対し23点差の2位に付けており、残り2戦のレース結果次第では十分に逆転の可能性を秘めている。そのためには決勝レースで上位入賞が必須条件で、チームは初日から決勝レースに向けて着実にセッティングを行っている。上海は長いストレートと複雑なコーナーを備えたサーキットで、空力性能とサスペンション・セッティングの両方が高い次元で求められる。 車両のセッティングばかりではなく、何種類か用意されたミシュラン・タイヤのゴムのコンパウンドから比較的低い路面温度に最適なものを選択することも重要な仕事だ。今日の路面温度は22℃。週末を通してほぼ同様の気温、路面温度が予想される。 本日行われた2度の公式練習走行で、2台のTS050 HYBRIDが走破した距離は147周・801km。明日は午前9時から1時間の公式練習3回目が行われ、午後2時から20分間にわたってLMP1とLMP2クラスの予選が行われる。決勝レースは11月6日(日)の午前11時(日本時間正午)にスタートが切られる。 TS050 HYBRID #5号車(中嶋一貴、アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミ)公式練習第1回目: 3番手 (1分47秒445), 39周公式練習第2回目: 4番手 (1分46秒812), 31周 TS050 HYBRID #6号車(小林可夢偉、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイ)公式練習第1回目: 4番手 (1分47秒632), 39周公式練習第2回目: 6番手 (1分47秒860), 38周 中嶋一貴 容易な一日ではありませんでした。午前中は中古タイヤで走りましたが、走り始めの路面はグリップが非常に低く、コントロールが非常に難しい状況でした。午後は一度新品タイヤで走りましたが、まずまずの感触でした。実戦を想定し、摩耗したタイヤでのセットアップを更に煮詰めていく必要があります。 アンソニー・デビッドソン 昨年と比べると今日は、路面のグリップが非常に低く、とても難しいコースコンディションだったので、満足いく車両バランスに仕上げるのが大変な一日となりました。車両を改善するために今夜は遅くまでデータの解析を行うことになるでしょう。セッションが進むにつれて路面コンディションが向上していくので、我々のTS050 HYBRIDに適合した状態になってくれることを期待しています。 セバスチャン・ブエミ 今日は非常に多くの距離を走破しましたが、各車のタイヤやコンディションは様々で、コース上もとても混み合っていたので、単純にラップタイムで自分たちの状態がどのあたりにあるかを判断するのは困難だと思います。前戦富士よりも難しいレースになるとは思いますが、心配はしていません。予選でも力強さを見せられるよう頑張りますが、あくまでも重要なのは日曜日の決勝です。 小林可夢偉 前戦富士での1日目と比べると車両の仕上がり状況は少し厳しいものになっていますが、恐らく今日の路面コンディションに寄るものでしょう。TS050 HYBRIDの仕上がりは進んでいますが、更なるパフォーマンス向上へ向け調整すべき箇所があります。今日得られたデータを今夜分析して更なる改良に繋げたいと思っています。 ステファン・サラザン 今日は路面コンディションが悪く、車両のセットアップを仕上げていく中で改善されては行きましたが、まだ全体的にグリップが足りません。明日の公式練習3回目までには全体的にレベルを上げる必要があります。明日も忙しい一日になると思いますが、しっかり仕上げれば決勝レースではチャンスがあるはずです。 マイク・コンウェイ コースコンディションは今日一日、時間を追うごとに良くなっていきました。サポートレースも助けになってくれたのではないかと思います。我々は予選へ向けたシミュレーションは行いませんでした。とにかくロングランでの力強い走りをするための車両バランス向上と、何箇所かの改良に集中しました。まだパフォーマンス向上の余地はあるので、明日も全力で臨みます。
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