TOYOTA GAZOO RacingはFIA世界耐久選手権(WEC)第5戦メキシコ6時間レースの予選を終え、TS050 HYBRID #5号車が5番手、#6号車が6番手のグリッドから土曜日の決勝レースをスタートする。 9月2日(金)は午前10時からの公式練習3回目で幕を開けた。TOYOTA GAZOO Racingは昨日の事故で壊れた#6号車をこのセッションに間に合わせるため、夜を徹しての修復作業を行った。
ダメージを負ったモノコックを交換、ほとんど新車1台を作る作業は午前3時にようやく完了した。そこから#5号車で取得したデータに沿ってセッティングを行い、午前10時に間に合わせたのだ。 公式練習3回目でTOYOTA GAZOO Racingの2台は順調に走行を重ね、#6号車も問題なく走行を終えた。タイムは1分26秒448。1分26秒788のタイムを記録した#5号車を上回った。 LMP1クラスの予選は午後2時40分から始まり、#5号車はアンソニー・デビッドソンが怪我の治療で欠場する中、まず中嶋一貴が乗り込み、続いてセバスチャン・ブエミがタイムアタックを引き継いだ。予選グリッドは2人のドライバーの記録したタイムの平均値で争われる。#5号車はポールポジションの#8号車アウディからは0秒891の後れの1分25秒960で5番手グリッドとなった。 #6号車はマイク・コンウェイと小林可夢偉のコンビでタイムアタックを行い、1分26秒183で6番手グリッドを獲得、#5号車と共にグリッド3列目に並んだ。しかし、セッションの最後に予選アタックドライバーに登録されていないステファン・サラザンも走行した。彼は昨日の事故の後、初めてのコースをほとんど走行できなかったために、特別の許可を得て予選を走ったのだ。 アウディ、ポルシェには1秒近い差をつけられてはいるが、決勝への準備は順調。TOYOTA GAZOO Racingの2台のTS050 HYBRIDは、初めてのメキシコでの6時間レースで上位入賞を狙う。天候が悪化する兆しがあり、天候次第でレースの行方は大きく変わる可能性かある。雨天も見すえて万端の準備を行う。TS050 HYBRID #5号車:(中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ)公式練習第3回目: 6番手 (1分26秒788), 34周公式予選 5番手 (平均1分25秒960) TS050 HYBRID #6号車:(小林可夢偉、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイ)公式練習第3回目: 5番手 (1分26秒448), 28周公式予選 6番手 (平均1分26秒183) 中嶋一貴予選アタックの1周目、最後のセクターで挙動が乱れ僅かにタイムをロスしましたのが、原因を分析する必要があります。概ねTS050 HYBRIDは好調でしたが、混雑のなかで1周のアタックをまとめるのは困難でした。決勝レースへの準備は出来ていますが、壁の迫る狭いコースで混み合う中での長いリスキーなレースになります。クリーンなレースを心掛ければチャンスは必ず来ると思います。 セバスチャン・ブエミ狭いコースに多くの車両がいて、混み合う中でのアタックはとても困難でした。もう少し良いタイムも出せたはずですが、予選順位を上げられる程ではありませんでした。我々はライバルに対し後れを取りましたが、その差はそれほど大きくはないですし、いつも決勝レースでのペースは予選より良いので、簡単ではありませんがチャンスはあるはずです。今日の内容には満足しており、良い結果のために更なる努力を続けます。 小林可夢偉昨日は我々にとって厳しい一日だったと思いますが、#5号車のタイムに近づいたレベルまで到達することが出来ました。このコースでのTS050 HYBRIDの感触は悪くありません。完璧なセットアップをするには時間が足りなかったのは確かですが、短い時間の中ではよくやれたと思います。明日の決勝を楽しみにしています。 ステファン・サラザン予選アタックはマイクと可夢偉が担当しましたが、私もメキシコでの充分な走行が出来ていなかったため、予選セッションを走りました。午前中の公式練習3回目では2周しか出来ず、コース習熟のために更なる周回が必要でした。3周だけではありましたが、少しでも走行経験が出来たことは決勝を戦う上での助けになってくれるはずです。 マイク・コンウェイ我々はこの週末、充分な周回が出来なかったため、予選セッションも最大限に利用しました。もう何周かできればタイムは縮められたとは思いますが、順位に大きな違いは無かったでしょう。昨日我々に起こったことを考えれば悪くない結果です。車両修復のために長く厳しい夜を過ごしたクルーに本当に感謝しています。彼らの努力に報いるためにも決勝レースでは良い結果を目指します。
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