5月7日(土)スパ・フランコルシャン6時間レースの決勝レースが行われ、TOYOTA GAZOO RacingのTS050 HYBRIDは#5号車が4時間の時点で首位を独走していたものの、突然のエンジントラブルで脱落。#6号車も中盤のトラブルでリタイアに終わった。TOYOTA GAZOO Racingは、FIA世界耐久選手権第2戦スパ・フランコルシャン6時間レースで、ほぼ手中にしていた勝利をトラブルで逸し、無念の結果で終えることとなった。
シリーズのマニュファクチャラーズ選手権ポイントリーダーとして今大会に臨んだトヨタは、レース開始から4時間が経過した時点で首位を独走し、2014年以来となるスパ・フランコルシャン6時間レースでの優勝を目前にしていた。 しかし、2台のTS050 HYBRIDは共にエンジントラブルに見舞われ、レースからの脱落を余儀なくされてしまった。中嶋一貴、アンソニー・デビッドソンとセバスチャン・ブエミが駆った#5号車は総合26位でレースを終えることとなったが、クラス7位完走で、マニュファクチャラーズ選手権において12ポイントを獲得した。小林可夢偉、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイの#6号車はリタイアに終わった。 トラブルに見舞われるまで、2台のTS050 HYBRIDは大幅にパフォーマンスが向上したことを証明する走りを見せ、#5号車は2位に1分以上の大差をつけて首位を快走、#6号車もレース序盤に見舞われたアクシデントの修復により周回遅れになりながらも3位を走行していた。 次戦は6月18日(土)と19日(日)に行われるル・マン24爺間レース。25万人ものファンが集まる、世界で最も有名な耐久レースは、今年で84回目を数える。レースを前に、6月5日(日)にレースの舞台となる公道も使用されるサルト・サーキットで公式練習走行が行われる。 佐藤俊男 チーム代表: 週末を通じ性能面での向上を確認することが出来ましたが、レース結果は厳しいものとなりました。前戦シルバーストンと比較し明らかな向上を果たせたことに関して、ケルンのチームスタッフとトヨタ東富士研究所の努力に改めて感謝したいと思います。レース中盤を過ぎた時点まで安定して速いラップタイムを刻みながらトップを走行することが出来ましたが、残念なことに2台共エンジンにダメージを受けてしまいました。直ちに原因を究明し、次戦ル・マン24時間レースに向けて対策を講じたいと思います。 TS050 HYBRID #5号車:(中嶋一貴、アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミ)決勝レース: 26位 114周、ピットストップ 5回、グリッド:5番手最高ラップタイム:1分59秒740 中嶋一貴: 今日は難しい日となってしまいました。ダウンフォースレベルのセッティングも良く、タイヤ選定も、戦略も全て上手く行っていました。さらに、良いところを探せば、TS050 HYBRIDは非常に競争力が高いことが分かり、それを証明出来たことです。しかし、最後にこのような終わり方をするとは思いもしませんでした。本当に勝てるチャンスはあったと思います。残念としか言いようがありません。 アンソニー・デビッドソン: 序盤は良かっただけにとても悔しいです。今日こそは勝利をものに出来ると思っていました。しかし、これまでに経験したことのないトラブルですべてを失ってしまいました。テストでは十分な距離を走って来ましたが、初めてのトラブルでした。気持ちを切り換えてル・マン24時間レースを頑張ります。 セバスチャン・ブエミ: 満足とは言えませんが、納得しています。長時間にわたりレースをリードし、まさか、このような終わり方をするとは思っていませんでした。パフォーマンスについてはこの週末を通して満足の行くものでした。今は、ル・マンに向けて照準を合わせています。 TS050 HYBRID #6号車:(小林可夢偉、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイ)決勝レース: リタイア 87周、ピットストップ 6回、グリッド:3番手最高ラップタイム:2分00秒177 小林可夢偉: 残念ながら満足出来る結果には結びつきませんでした。良い走りは見せることが出来ただけに、とても残念なレースでした。しかし、TS050 HYBRIDの性能の高さは確認出来たので、ル・マンでは期待して下さい。 ステファン・サラザン: これほど難しい日はありませんでした。TS050 HYBRIDは2台とも最高の性能を発揮出来ていたので、揃って表彰台に立てるはずでした。とても残念ですが、走行フィーリングは良い感じなのでル・マンに向けては期待が出来ます。 マイク・コンウェイ: とても厳しいレースとなってしまいました。ミスを犯してLMP2のクルマに接触して、レースは苦しくなってしまいました。その後はとにかく、全力でプッシュして表彰台を狙っていました。多分、2台揃って表彰台は狙えたと思います。しかし、現実は厳しいものでした。戦略は悪くはなく、上手く行っていたと思います。
全文を読む