トヨタ WECでチーム代表を務めてきた木下美明が、退任することが発表された。ケルンに本拠を置き、トヨタWEC活動の中心であるTMG(トヨタ・モータースポーツGmbH)で永く社長を務めてきた木下美明は、4月1日付けで日本に帰国、トヨタ自動車で新しいポストに就く。トヨタのWEC参戦プロジェクトの長期継続の確約、世界耐久選手権タイトルの獲得、世界ラリー選手権(WRC)への参戦復帰という重要な仕事を終えた木下は、4月のWEC開幕戦シルバーストン6時間レースを最後に日本に帰国する予定。
「TMGのスタッフ一同、木下がTMGとTMGのモータースポーツ活動に対して注いでくれた計り知れなく大きな貢献に対し、心から感謝し、新しいポジションでの成功を期待しています」とプレスリリースで述べた。木下美明のTMG社長職およびWECチーム代表からの離任に伴い行われた人事で、佐藤俊男がTMGとWECチーム代表に新しく就任する。佐藤俊男は、トヨタがF1グランプリに参戦していた時期にエンジン担当技術者としてTMGで働いており、いわば復帰と言うことになる。モータースポーツを離れていた期間、佐藤俊男はトヨタとレクサスにおいてハイブリッドシステムの開発に携わっており、膨大なハイブリッド技術を持ってのTMG復帰となる木下美明「TMGとモータースポーツプロジェクトから離れることになったのは寂しいです。しかし、今後も出来る限りレースを近くから見守り、チームをサポートしたいと思っています。我々が参戦を開始した2012年以来、励まし、サポートをしてくれたWECの関係者に感謝すると共に、耐久レースを戦う仲間の一員になれたことを誇りに思っています。今季、ゼッケン1を付けた我々のTS040 HYBRIDを見られるのは本当に素晴らしいことで、残る目標はル・マン24時間レースの制覇です。今シーズンは、4チームに増えたLMP1のマニュファクチャラー全てが異なる技術アプローチで参戦するということで、挑戦はこれまで以上に素晴らしいものになるでしょう。我々は懸命にTS040 HYBRIDの改良を続けてきました。今のところ、テストでの結果は勇気づけられるものです。しかし、まだ長い戦いは始まったばかりですし、ライバル達の最初のパフォーマンスを知りたいところですが、まず開幕戦としてのシルバーストンがとても大切だと思っています」
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