9月10日(土)、11日(日)の両日、岡山県美作市の岡山国際サーキットで、全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦が開催される。オートポリスでの開催が予定されていた第5戦だが、今年春に発生した熊本地震の影響により、岡山へと舞台を移して戦われることとなった。5月末に行われた第2戦岡山ラウンドは、決勝レーススタート前からの豪雨によりセーフティカーランのまま終了という結末を迎えた。
オートポリスの代替戦は今季2度目の岡山はスプリントの2レース制で実施今大会は2レース制として実施される。10日(土)に全車両走行による予選と、30周で争われる第1レース、11日(日)はノックアウト方式の予選と51周で争われる第2レースというフォーマット。ポイントは各レース通常の半分が与えられるが、両レース共にポールポジションでの1ポイントは獲得出来るため、追い越しの難しい岡山のコースレイアウトも相まって、予選から熱い戦いとなるだろう。また、岡山は春の第2戦でのデータはあるものの、まだ残暑厳しいこの時期の走行は初めてであり、各チーム、短く忙しい走行セッションでどこまでセッティングを詰められるかにも注目だ。スーパーフォーミュラでは最も1周が短いテクニカルコース1周は3.703kmとスーパーフォーミュラのシリーズ戦が開催されるサーキットでは最も短いが、高速コーナーからバックストレートにかけての前半部分と、テクニカルな中低速コーナーが続く後半部分という性格の違うレイアウトを併せ持つ、非常にテクニカルなコース。毎年SUPER GTの他、F3も開催されており、過去にはF1が行われたこともある。観戦エリアからコースまでの距離が近いことでも知られている。それだけにレース当日は多くのファンが迫力ある走行&バトルシーンに釘付けとなることも多く、現地観戦派のモータースポーツファンに人気の高いサーキットだ。トップ10人が8ポイント差のタイトル争いは後半戦へ昨年、7年ぶりのトップフォーミュラ開催となった岡山大会では、石浦 宏明(P.MU/CERUMO・INGING)が初のポールポジションから初優勝、昨年のシリーズチャンピオン獲得への足がかりとなった。また、スーパーフォーミュラ参戦2戦目の小林 可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS)が終盤石浦を追い詰め、観客を沸かせた。今季第2戦でも石浦の速さは変わらず、2年連続のポールポジションを獲得。決勝レースは残念ながらセーフティカーランのまま終了したが、石浦が2年連続勝利を飾ることとなった。今大会も石浦が優勝候補であるのは間違いない。石浦への対抗馬筆頭はジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)だろう。第2戦では予選で石浦に次ぐ2番手。決勝レースではセーフティカーラン中にトラブルに見舞われたが今大会は雪辱を期してくるだろう。第2戦、相変わらずの僅差の予選の中でこの2人に続く速さを見せたのがそれぞれのチームメイト、国本 雄資(P.MU/CERUMO・INGING)と関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)。共に予選でQ3進出を果たしており、特に関口は第3戦で3位表彰台、前戦第4戦で念願の初勝利を飾りランキング首位と勢いに乗っている。国本もコンスタントな成績で2.5ポイント差のランキング4位と好調だ。そして、シーズン序盤はこの2チームにやや水をあけられた感もあったものの、調子を取り戻してきたのがVANTELIN TEAM TOM'Sの2台。前戦もてぎでロッテラーが2位。中嶋一貴も予選で後方に沈みながら追い上げポイントを獲得するなど上り調子だ。また、予選7番手から決勝では5位フィニッシュを果たしたジェームス・ロシター(KONDO RACING)、も4戦中3戦で入賞を果たし、11ポイントでランキング6位と今季は着実な速さを見せている。シーズンは折り返しを過ぎ、今大会を含めて残り3戦と後半戦に入ったが、ドライバーズタイトル争いでは、首位の関口から10位までが僅か8ポイントという争いとなっており、ここに挙げた7名はその中に入っている。残り3大会5レース(最終戦鈴鹿も2レース制)、タイトル争いに向けて1戦も落とせない緊張の戦いが続くこととなる。また、今季まだノーポイントと厳しい戦いが続いている小林 可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS)にとっては、昨年2位で初表彰台を獲得したコースであり、巻き返しへのきっかけとなることを期待したい。
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