TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、トヨタがル・マン24時間レースに初参戦してから40周年を迎えることを記念し、今大会に参戦するGR010 HYBRIDに特別なカラーリングを施した。1台は過去の印象的なカラーリングを称えたものであり、もう1台は現行ハイパーカーの戦う精神を表現したデザインとなっている。この2台は、6月14日(土)から15日(日)にかけて開催される第93回ル・マン24時間レースに参戦する。
小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ニック・デ・フリースがドライブするGR010 HYBRID 7号車には、1998年と1999年のル・マンに参戦したTS020をモチーフとした赤と白のカラーリングが施されている。この特別カラーリングは、耐久レースの長い歴史とファンの熱狂を結びつけ、モータースポーツへの情熱を一層高めることを狙いとしている。トヨタGT-Oneとして知られるTS020は、その特徴的な空力デザインでファンを魅了しただけでなく、ゲームソフト「グランツーリスモ」初代で中心的な役割を果たすことで、新たな世代のファンをル・マンに引き寄せた。今回のGR010 HYBRID用に再設計された赤と白のカラーリングは、ベースカラーの赤に、車体前方から後方にかけて白い炎のようなダイナミックなパターンを配し、TS020とのつながりを明確に示している。GR010 HYBRID 7号車は「過去」を象徴する特別なカラーリングで参戦する一方で、セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮がドライブするGR010 HYBRID 8号車は、「現在」を表現したマットブラックのカラーリングで挑む。このなじみ深いカラーリングは、「スピード」と「負け嫌い」というチームの精神を表現するGRロゴを中心に据え、「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を体現する進化の象徴、「プロトタイプ」コンセプトを反映している。両車両には、トヨタのル・マン参戦40周年を記念する新たなロゴも配されている。このようにTGRは、象徴的なカラーリングを通じてル・マンにおける「過去」と「現在」を結びつけながら、同時に「未来」にも目を向けている。TGRは耐久レースにおける水素技術の開発を推進する活動を通じて、モータースポーツがカーボンニュートラルで持続可能な未来の実現に貢献していることを示す方針である。ル・マンにおける40年間、トヨタとそのドライバー、チームメンバー、そしてファンは共に喜びや悲しみを分かち合い、レースの長い歴史を築いてきた。トヨタが公式にル・マンに参戦した1985年から今大会に至るまで、合計61台のトヨタ車が26回ル・マン24時間レースに参戦し、5度の総合優勝、18回の表彰台、8度のポールポジションを記録している。これらの参戦を通じて、16か国から62名のドライバーがトヨタのル・マン遺産の構築に貢献してきた。トヨタのル・マン参戦は1985年の85Cから始まった。この車両は市販車由来のエンジンを搭載し、トヨタが1992年に初めて表彰台に立つまで、そのパフォーマンスを着実に向上させていった。初期10年間はプロトタイプカーでの参戦が続いたが、その後のレギュレーション変更により、1995年から1996年にはトヨタ・スープラで戦うこととなった。続く1998年から1999年にはTS020で総合優勝を目指し、1999年には初のポールポジションを獲得した。トヨタは2000年から2011年までル・マンから一時撤退したが、2012年に復帰。ハイブリッド車両の技術を新たなレベルへと引き上げ、2018年には初の総合優勝を果たした。この勝利はTS050 HYBRIDによるル・マン3連覇の始まりとなり、その流れは現行のハイパーカー時代にも受け継がれた。2021年と2022年にはGR010 HYBRIDがさらに2勝を挙げたが、その後の2大会では連続して準優勝に終わっている。
全文を読む