TOYOTA GAZOO Racing(トヨタ)は、来る3月18日(金)に米国フロリダ州で行われるセブリング1000マイル(約1600km)レースで2022年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)の開幕を迎える。今季より富士通およびJFEスチールを新たなパートナーとして迎え、全てのパートナーと共に、今シーズンに向けて改良されたハイパーカー、GR010 HYBRIDでシリーズチャンピオンの防衛に挑む。
2021年シーズン、トヨタは700馬力を発揮するハイパーカーGR010 HYBRIDを新たに投入、デビューイヤーにもかかわらずル・マン24時間レースを含む全6戦に完全勝利し、ドライバー、チームの両選手権タイトルを獲得するという最高のシーズンを送った。今季、2022年シーズンもWECは全6戦で行われ、トヨタはタイトル防衛を目指す。2022年仕様のGR010 HYBRIDは、昨年の仕様から、タイヤとホイールのサイズが変更された。前輪は12.5x18インチマグネシウム鍛造レイズ製ホイールに29/71-18サイズのミシュランタイヤを装着、後輪は14x18インチホイールに34/71-18サイズのタイヤという組み合わせとなる。タイヤ及びホイールを変更したことで、レギュレーションで定められた空力的な性能を維持するために、ボディワークにも若干の変更が必要となった。最もわかりやすい変更点は、大型化された車両後部のエンドプレートとエンジンカバーフィン。それ以外のボディワークついては大きな変更点はなかった、3.5リッターエンジンはWECが2022年シーズンより新たに導入する、100%再生可能燃料に対応すべく調整されている。この燃料はワイン醸造時の絞りかすや農産物などから生成され、CO2排出量を65%以上削減するなど、モータースポーツにおけるサステナビリティ向上という継続的な取り組みに貢献する。トヨタは新シーズンへ向けて車両の調整だけでなく、チーム体制の見直しも行った。来る開幕戦セブリングは、小林可夢偉がチーム代表とドライバーという2つの役割を兼務して臨む最初のレースとなります。小林可夢偉は、共に昨年ル・マンを制し、世界チャンピオンを獲得したマイク・コンウェイとホセ・マリア・ロペスと共にGR010 HYBRID 7号車をドライブする。そして昨年までもう一台のドライバーだった中嶋一貴はレースドライバーを勇退し、WECチームの本拠地でもあるTGRヨーロッパの副会長という新たな役割に1月からついている。中嶋一貴はレースにおけるチーム運営をサポートするのと同時に、中嶋一貴に代わってセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレーと8号車をドライブすることとなる平川亮への助言も行う。2016年と2017年にLMP2クラスでル・マン24時間を戦った経験を持つ平川亮は、彼にとって初のWECシーズン参戦に向け、様々なテストやドライビングシミュレーターなどで準備を整えてきた。GR010 HYBRIDやドライバーのスーツには新しいパートナーの富士通とJFEスチールのロゴが加わります。トヨタは「富士通とJFEスチールの参加を歓迎すると共に、これまでもWECでの成功に欠かせない支援を頂いている全てのパートナーの皆様に、あらためて心より感謝いたします」と語る。2022年シーズンは3月12日(土)と13日(日)の両日に渡ってセブリングで行われるプロローグテストで公式イベントの幕を開ける。GR010 HYBRIDにとってはこのテストが、アメリカのスポーツカーレース発祥の地である、セブリング・インターナショナル・レースウェイ(全長6.019km)を走る初めての機会となる。このレースウィークは耐久レースの祭典とも言えるイベントであり、かつての軍用飛行場跡に造られたサーキットには、多くの観客が集まる。18日(金)の夜に1000マイル(約1600km、およそ8時間)にわたるWECのレースが行われ、翌19日(土)には北米をベースに行われているIMSAシリーズの第2戦、通算70回目を迎える伝統のモービル1セブリング12時間レースが行われる。トヨタがセブリングでレースを戦ったのは2019年の1回のみだが、記録的な観客が集まったこの時はセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴とフェルナンド・アロンソのトリオが勝利を挙げ、マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペス組が2位で続いてTS050 HYBRIDが1-2フィニッシュを飾った。チームの目標はもちろん、この1-2フィニッシュの再現であり、2022年シーズンにおいて完璧なスタートを切ることだ。小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)セブリングのような耐久レースの聖地とも言えるコースで、2022年シーズンのスタートを迎えることを、チームの全員が楽しみにしています。昨年我々はル・マンで勝利し世界チャンピオンを獲得しました。今年の目標もそれを再現することです。昨シーズン、我々はGR010 HYBRIDの改善点を幾つか発見し、それを解消すべく懸命に努力を重ねて来たので、今季はより信頼性の高いクルマになったと思っています。トヨタ、パートナー企業様、及びチームメンバーの全員によるハードワークとサポートのおかげで、2022年のWECシーズンを戦う準備は整いました。今年のハイパーカークラスは間違いなくエキサイティングなものになるでしょう。新たなライバルとなるプジョー、そしてグリッケンハウスとアルピーヌからの挑戦を心から歓迎します。これから始まるシーズンで、ファンの皆様の記憶に残るようなバトルをお見せできることを楽しみにしています。皆様、応援をよろしくお願いします。パスカル・バセロン(テクニカル・ディレクター)チーム全体がレースの現場に戻るのをとても楽しみにしており、シーズン前のテストプログラムも非常に順調だったので、良い状態だと感じています。ハイパーカークラスの開発は厳しいホモロゲーションルールで縛られているため、2022年仕様のGR010 HYBRIDにおける変更点は比較的少ないです。今季、ハイパーカーのマニュファクチャラーは、前後31インチか、前29インチ、後34インチかのどちらかのタイヤサイズを選択しなくてはならないため、我々は29/34へと変更することを選びました。この変更により影響を受ける、冷却や空力的パフォーマンスを維持するために、ホモロゲーションで許される範囲でボディワークの変更を行いました。この決断により、我々が昨年直面した後輪のマネジメントに関する課題に対処できることを期待しています。加えて、新たな再生可能燃料を使用することになったため、燃料性状の変化に合わせ、エンジンセッティングの最適化を行いました。この新しい燃料への変更は、カーボンニュートラル社会の実現に向けて重要なステップであり、我々はこのよう...