トロロッソ・ホンダは、2018年のF1世界選手権 第10戦 イギリスGPの決勝で、ピエール・ガスリーが終盤のバトルを制し10位フィニッシュするもペナルティーによりレース後に13位に降格。ブレンドン・ハートレーはスタート直後にマシントラブルでリタイアした。F1イギリスGPの決勝日は、ここ2日間と同じく好天で、気温25℃、路面温度は50℃を超えるコンディション。レースは午後2時10分から行われた。
予選14番手のピエール・ガスリーは7列目からのスタート。ブレンドン・ハートレーは、P3でクラッシュしたマシンの修復作業により予選に出走できず、モノコックを交換したため、ピットからのスタートとなった。また、パワーユニットもクラッシュの影響を確認するために交換し、問題の起きたパワーユニットは日本のHRD Sakuraへ送られ、分解チェックを実施される予定となっている。スタート直後に起きた混乱を避けきったピエール・ガスリーは、12番手にポジションを上げる。ブレンドン・ハートレーはレコノサンス・ラップでマシンに異常が見つかり、レースまでに修復を試みたが解決に至らず、レースは1周走行したのみでリタイアとなった。その後、上位車のピットインやアクシデントで、20周目にピエール・ガスリーもタイヤ交換のためピットイン。ソフトタイヤからミディアムタイヤに履き替え、14番手でレースに復帰した。上位車のピットインで12番手となったレース後半、他車のアクシデントでセーフティーカーが導入され、レースが大きく動く。セーフティーカー導入と同時にピットインしたピエール・ガスリーは中古のソフトタイヤに替え、追い上げ態勢に。多くのマシンがピットインし、セーフティーカーが解除された時点でガスリーは13番手。4周後、セーフティーカー明けとともに上位車2台が接触し、再びセーフティーカーが導入されると、この時点でガスリーは11番手までポジションアップを果たした。その3周後にレースは再開され、レース終盤、ポイントをかけた激しい接近戦が展開される。残り3周となった50周目、ガスリーは激しいバトルの末に前車をパスして入賞圏内に入ると、その後も2周にわたる激しいポジション争いを見事に戦い抜き、10番手を守ったままチェッカーフラッグを受けた。しかし、オーバーテイク時のアクションに関してレース後に審議が行われた結果、ガスリーに5秒のペナルティー加算の裁定が下され、最終結果は13位というかたちになった。なお、ブレンドン・ハートレーのトラブルはレース後の解析の結果、昨晩行ったパワーユニットの組み付け作業での不具合にあったことが分かっている。第11戦 F1ドイツGPは、ホッケンハイム・サーキットで7月20日~7月22日にかけて行われる。(以下のレース後コメントは、ガスリーのペナルティー決定以前に出されたもの)ピエール・ガスリー「再びポイントを獲得することができて、本当に嬉しいです。パフォーマンス面での試行錯誤だけでなくアクシデントもあったので、このサーキットではレースでも苦戦すると思っていました。レースの終了間際には、セルジオ・ペレス(フォース・インディア)と激しいポジション争いを展開しました。最後のシケインでオーバーテイクするチャンスがあり、かなりギリギリで車体も少し接触しましたが、最終的にはうまくパスすることができました。イギリスでの週末はチームにとってかなりタフなもので、エンジニアたちも懸命に作業してくれていたので、ポイントを獲得できたことはチームへの最大の恩返しになりました。マシンの手応えは今日もよかったです。ドイツでのレースも楽しみにしています」ブレンドン・ハートレー「運や迷信はあまり信じていないのですが、ここ数週間を振り返ると、ツイていなかったとしか言いようがありません。P3でのサスペンションの不具合に始まり、今日もレースが始まる前からテクニカル面でのトラブルが発生してしまいました。レースに関してはあまりコメントできることがありません。非常に残念ですが、リセットボタンを押して数日間の休暇を楽しみ、また次のレースに向けて準備を始めていきます。エンジニアたちが一生懸命、作業に取り組んでくれることは分かっているので、ホッケンハイムで僕たちの最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、努力します」フランツ・トスト (トロロッソ チーム代表)「ここへはポジティブな見通しを持ってやって来ましたが、残念ながらシルバーストンでの週末は期待していたようなものにはなりませんでした。P3では、左のフロントタイヤのサスペンションに不具合があり、ブレンドンがクラッシュを喫してしまいました。結果的にウィッシュボーンが壊れていたことがその原因だったのですが、その時点では理由が分からなかったため、ガスリー車も走行を見合わせなくてはなりませんでした。フリーでの走行が十分ではなかったことで、ガスリーは予選でも苦戦を強いられましたが、うまくまとめ切り、14番手でフィニッシュしてくれました。ブレンドンのマシンに関しては車体のモノコックを交換したため、ピットからスタートしなくてはなりませんでした。決勝日当日には、ウォームアップ走行中にブレンドンのマシンに起こった問題を解明しようとしたのですが間に合わなかったため、ピットに呼び戻してマシンのさらなる検証を行いました。残念ながらレースはリタイアせざるを得なかったですが、マシンをレースに間に合わせてくれたチームには大きな感謝を述べたいです。チームが一生懸命作業を進めてくれていただけに、ブレンドンが完走できなかったのは残念でした。一方、ガスリーは好スタートを決めると安定したペースで周回を重ね、我々のホームで見事ポイント獲得を果たしてくれました。週末を通して懸命に働いてくれたチームにとって、最大の恩返しになったと思います。彼らはこのポイント獲得にふさわしい働きをしてくれました。次戦のドイツGPでは、今回よりもさらにいい成績を残したいです」田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)「週末を通して、非常にタフなホームレースになりました。特に土曜に起きたハートレー選手のクラッシュのあとは、ガスリー選手のマシンのサスペンション交換、ハートレー選手のマシンのモノコック/パワーユニット交換など、限られた時間の中でトロロッソ、ホンダ双方のメカニックとエンジニアが懸命に作業を行いました。それだけに、レースでガスリー選手が最後までねばり強い走りをみせ、ラスト2周というところですばらしいオーバーテイクによりポイントを獲得したことは、チームの努力...
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