トロロッソのチーム代表フランツ・トストは、ホンダF1のワークスパートナーとしてのステータスと過去のエンジンサプライヤーとの関係との間には“大きな違い”があると語る。2006年のF1参戦開始以降、トロロッソは、コスワース、フェラーリ、ルノーのカスタマーエンジンを使用してきたが、2018年からは新たにホンダからパワーユニットの独占供給を受ける。
フランツ・トストは、トロロッソにとってホンダF1との新たなパートナーシップは、これまでのサプライヤーとの関係とは全く異なっていると語る。「信じてほしいが、大違いだ」とフランツ・トストは Autosport にコメント。「クルマの設計から違う。これまではただパワーユニットを受け取って、サプライヤーから『見てください。これがパワーユニットです。パイプとすべての凝集体をクルマに入れてください』と言われるだけだった」「今、我々のデザイナーはホンダのエンジニアと一緒に作業をしている。彼らは『OK、どうっやってオイルタンクを作ればいい? 例えば、エンジンの前ではシャシーにどうやって取り付けるのが最適だろうか』と考えている」「エキゾーストシステムもそうだ。それはクルマの空力面に大きな影響を及ぼす。また、ラジエーターから後部への熱気をどこから逃がせばいいか? 以前は我々がその方法を見い出さなければならなかったが、今はホンダとそれを議論している」トロロッソは、昨年の後半、エンジンサプライヤーのルノーと信頼性を巡って論争になった。フランツ・トストは、トロロッソがエンジン側にこれほどまでインプットできるのはホンダとの新しいパワーユニットが“初めて”だと語り、トロロッソのエンジンはパワーユニットのセットアップにおいて自由を味わっていると語る。「ギアボックスとパワーユニットのダイナモ走行から帰ってきたエンジニアの顔には笑顔が浮かんでいる。彼らは『聞いてくれ、走行中にマッピングを変更することができたんだ』と言っていた」「以前はマッピングを手に入れても全てがブラックボックスだったし、何もできなかった。我々が『こっちの方がいいかもしれない』と言っても、彼らは『そのままで進めてください。そういうものです』と言うだけだった」「今、我々には影響力がある。『このような方法を試してみよう。パフォーマンス面でアドバンテージを得られるかもしれない』と言うことができる」「それは両社にとって大きな助けになったし、トロロッソとしてホンダとこの協力を決断したのは完全にベストだった」2015年にF1に復帰して以降、ホンダのF1パワーユニットは多くのトラブルに見舞われてきたが、今年のプレシーズンテストでトロロッソ・ホンダ STR13はトラブルフリーの走行を味わった。フランツ・トストは、トロロッソ・ホンダの2019年マシンに特に高い期待を抱いていると語る。「来年のクルマには多くの期待をしている。我々はほぼ1ヵ月間にわたって来年のクルマの作業を行っているが、シャシーにパワーユニットの様々なパーツを配置するための最適な方法でどんどん良いアイデアが出てきている。配置、熱処理、空力、重量配分など、それらはクルマのパフォーマンスにとって重要な要素だ」