トロロッソとホンダは、新たなパートナーシップにおける作業において非常にスムーズにコミュニケーションをとれていると語る。トロロッソとホンダは2018年のF1世界選手権から新たにパートナーシップを開始。今週行われたプレシーズンテストでは、4日間で大きな問題に見舞われることなく、合計で324周を走破。これは全チーム内で最多の走行距離となる。
昨年までホンダのパートナーだったマクラーレンは、イギリスの拠点と日本のさくらとのコミュニケーションに問題を抱えていたが、トロロッソはそれが問題になることはないと強調する。トロロッソのチーム代表を務めるフランツ・トストは「私は1年間日本に住んで仕事をしていたことがあるので、彼らの文化について多少はわかっている。彼らとの仕事ではヨーロッパの企業と働くときに使用されていた方法とは完全に異なるメソッドを伴う」とコメント。「我々はエンジニアが日本の考え方をより理解できるようにファクトリーでセミナーを開催してこの新しい文化を彼らに紹介した。それが大きく役立っていると思う。ここまで目にしてきたもの協力関係は効果的ですでに高いレベルにある」本田技研工業,のモータースポーツ部長を務める山本雅史は「開発側とマネジメント側のコミュニケーションはよりスムーズです」とコメント。「私自身とフランツ、そして、開発側は良いコミュニケーションを築いています」ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治も「今季に向けたトロ・ロッソとの準備期間は決して長くはありませんでしたが、限られた時間の中で密にコミュニケーションを取り、順調に作業を進めることができました。互いにいいパートナーシップを築けていますし、イタリア、日本、イギリスのそれぞれのファクトリーにいるチームメンバーの努力にとても感謝しています」と語る。また、マクラーレンとのパートナーシップの違いとして、トロロッソのイタリア人スタッフとホンダの日本人スタッフはお互いに第2外国語で会話をするという点がある。「我々の日本語力よりもホンダのスタッフの英語力に依存している部分が大きい。彼らは優れた英語を話すために素晴らしい努力をしている」とトロロッソのテクニカルディレクターを務めるジェームス・キーはコメント。「我々は、日本の会社がどのように構成され、彼らがどのようなコミュニケーションを採っているのか、特定の物事で実際には何を意味しているかなどをもう少し理解するために日本文化の文化研修を行った。それも大きく役に立っている」「もちろん、会議や物事の進め方に違いはあるが、これまでのところ、全てが問題なく進んでいる。我々にとってのチャレンジは2か国に広がっていることだ(トロロッソは英国バイチェスターに空力拠点を置いている)。すでに我々は運営において妥協している」「ほぼ全員がイタリアにいるし、イタリアのスタッフは第2言語を話すことになり、日本のスタッフも第2言語で話す。大きな時差と二つの異なる文化があり、そこにある潜在的な危険は大きい。だが、全員がそれが確実に機能するように努力している」イタリアにあるトロロッソのファエンツァの拠点と、日本のホンダのHRDさくらは6000マイル以上離れており、8時間の時差がある。だが、それは逆に有効だとフランツ・トストは語る。「私は朝6時半くらいにデスクにいることを好む。集中する必要のある仕事の多くをこなせるし、すべてを反省する時間も得られる。まず最初に夜中に到着したEメールを見ている。特に我々のホンダの友人は我々よりも8時間早いので、朝にすぐに彼らに返信することができる」マクラーレンは英国を拠点とする名門チームであり、ホンダに多くの要求を課してきたが、トロロッソはイタリアを拠点としている小規模なチームであり、ホンダのF1エンジン開発に自由を与えている。「作業関係という観点で我々は非常に早い段階から合意していた。それぞれで努力し、全体的に最速のパッケージを作る必要があるということで完全に合意している」「それぞれで妥協点が必要な場合は、非常に科学的な方法でそこに目を向け、最良なソリュションと最小限の妥協を見つけていく」「我々が対処したい特定の空力問題があり、そこに少しエンジンが関わりシャシー側により多くのポテンシャルある場合、もしくは彼らが熱望している特定のエンジンがあってシャシー側にはわずかな妥協点がある場合、我々はそれを見ていく」「ケース・バイ・ケースであり、共同で多くの調整が必要だが、正当な理由であればそれは問題ではない」その証拠として、ホンダはパフォーマンスと信頼性を改善するためにV6エンジンを2cm延長しており、トロロッソは喜んで対応したと伝えられている。