5月3日(水)~4日(木)の両日、静岡県駿東郡小山町に位置する富士スピードウェイでSUPER GTの第2戦「FUJI GT 500km RACE」が開催される。ゴールデンウィーク開催の富士ラウンドは、例年2日間で9万人という非常に多くのモータースポーツファンが集まる人気のイベント。富士スピードウェイでのSUPER GTは春と夏の2回開催されるが、春の大会は500kmの長丁場で争われるため、ピットストップが通常の1回に対し、最低2回必要。戦略及びチーム力がいつも以上に要求される、タフなレースとなる。
ゴールデンウィーク恒例の富士は500kmの長距離戦新型LEXUS LC500が『ホーム』富士で悲願の初勝利を目指すLEXUS勢にとって富士はホームコースであり、トヨタ スープラやLEXUS SC430時代には何度も上位を独占、計15勝を挙げるなど得意としてきた。しかし、LEXUS RC Fでの3年間は無念の未勝利。今季、開幕戦トップ6独占という圧倒的な強さでデビュー戦を飾った新型LEXUS LC500と共に、悲願の「ホーム」での勝利を目指す。ロングストレートが特徴の長い歴史を持つ国際レーシングコース1966年に開設され、60年代から70年代にかけて日本グランプリを開催するなど長い歴史を持つ富士スピードウェイ。2005年にリニューアルオープンし、2007年、2008年にはF1日本グランプリを開催。2012年からはFIA世界耐久選手権(WEC)を開催するなど、日本を代表するサーキットの一つである。約1.5kmもの長いストレートが特徴だが、後半には中低速コーナーの連続するテクニカルなセクションもあり、セッティングの難しいコースだ。  2005年にリニューアルされた、比較的新しいコースということもあり、設備等も綺麗なので、カップルや家族連れでも安心してレースを楽しめる。好調LC500勢の『ホーム』での活躍に期待スポット参戦ドライバーの活躍にも注目一月前に行われた岡山での開幕戦は、オフシーズンテストから好調だったLEXUS LC500勢が速さを見せ、出場した6台がトップ6を占めるという圧倒的な強さでデビュー戦を飾った。3月に富士スピードウェイで行われたテストでもLC500は速さを示しており、RC Fでは果たせなかった、「ホーム」富士での勝利に期待がかかる。もちろん、ライバル勢も間違いなく巻き返して来るであろうし、LEXUS勢も開幕戦の結果により、上位フィニッシュの車両には重いウェイトハンデが課されるため、決して楽なレースとはならないことが予想される。そういった状況を踏まえた上で、今大会の優勝候補筆頭に上げられるのは、前大会最後まで表彰台を争いながら、惜しくも4位となった立川 祐路/石浦 宏明組 ZENT CERUMO LC500 38号車だろう。富士でのGT最多勝(7勝)記録を持つ「富士マイスター」立川と2015年スーパーフォーミュラチャンピオンの石浦のコンビは、速さという点では折り紙付き。また、3月のテストでも総合で2番時計をマークしており、優勝争いに絡んでくることは間違いない。そして、ディフェンディングチャンピオンであるヘイキ・コバライネン/平手 晃平組 DENSO KOBELCO SARD LC500 1号車。前戦は38号車の猛追を振り切って3位表彰台を獲得したため、22kgのウェイトハンデを搭載することとなるが、同コンビにとって昨年の第2戦富士は、初の2位表彰台を獲得し、チャンピオン獲得への足がかりをつかんだレースでもあり、今年ももちろん要注目な存在だ。今大会の開催週は、同じ週末にWEC(世界耐久選手権)第2戦スパ6時間レースが行われるため、WECに出場する中嶋一貴と国本雄資が欠場となる。代わってau TOM'S LC500 36号車は、今季よりチーム監督を務めている伊藤大輔がジェームス・ロシターとのコンビで出場。今季初出場となる伊藤だが、3月の富士テストには参加しロシターと共にトップタイムをマークするなど、まだまだ速さは充分。500km、ピット2回のロングレースで重要なチーム力という点でも定評のあるトムスチームだけに、開幕戦勝利でウェイトハンデの重い平川 亮/ニック・キャシディ組 KeePer TOM'S LC500 37号車と共に上位争いに加わってくるだろう。そして、国本が欠場するWedsSport ADVAN LC500 19号車は、昨年の全日本F3チャンピオンで、GTでも300クラスで経験を積んできた山下健太が、関口雄飛と組んで初のGT500ドライブを果たす。  また、開幕戦で2位と悔し涙を飲んだ大嶋 和也/アンドレア・カルダレッリ組 WAKO'S 4CR LC500 6号車も、ウェイトハンデをはねのける勢いで今季初優勝目指し今大会に臨んでくる。LEXUS勢の6チーム全てが今大会でも大活躍を見せてくれるはずだ。GT300クラスでは、前戦岡山で2列目4番手スタートから8位フィニッシュとデビュー戦でトップ10フィニッシュを果たした若手コンビ、中山 雄一/坪井 翔組 JMS P.MU LMcorsa RC F GT3 51号車に注目だ。ストレートが長い富士は、比較的テクニカルな岡山よりも、LEXUS RC F GT3らが属するFIA-GT3勢に有利と言われる。今季より新型車両を投入し、2台体制で挑むLEXUS RC Fによる、『ホーム』富士での更なる活躍が期待される。今季のSUPER GTでは唯一のハイブリッド参戦車両となる2台のトヨタ プリウスも、2013年に富士で初勝利を挙げるなど速さは見せており、長丁場のレースとなる今大会、ハイブリッドならではの燃費を活かせばチャンスは充分にある。
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